スキャルピングは、数秒~数分といった超短期で新規注文から決済までを完結するトレード手法で、1日に何度もトレードを繰り返して、小さな利益を積み上げます。
スキャルピングは、FX業者によっては禁止されていることもあり、スキャルピングで稼げるの?と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、スキャルピングで稼ぐことは可能です。ただし、スキャルピングで稼ぐ方法は無数にあり、勝てる手法だったとしても、あるトレーダーには合っても、別のトレーダーには合わないことはあります。
また、少し学んだだけで、簡単に勝てるほど甘くはありません。
そこで今回は、スキャルピングで稼ぐための知識やコツなどをご紹介したいと思います。これからスキャルピングで稼ぎたいという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
FXのトレードスタイル
FXのトレードスタイルは、大きく分けて4つあります。
- スキャルピングトレード
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期トレード/ポジショントレード
ポジション保有 | 1回の利益 | メリット | デメリット | |
スキャルピング | 数秒~数分 | 1~10Pips | 為替変動の影響を受けにくい | スキャルピングが禁止の業者もある |
デイトレード | 数分~1日 | 10~100Pips | 安定した取引ができる | 戦略があいまいになりがち |
スイングトレード | 数日~数週間 | 数十~数百Pips | こまめなチェックが不要 | マイナススワップの損失もある |
長期トレード | 数ヵ月~数年 | 数百Pips以上 | 勝率が高く、スワップが狙える | エントリーチャンスが少ない |
FXはトレードスタイルによって稼げる金額や必要な時間、元手となる資金などが異なります。どのトレードスタイルにもメリット・デメリットがありますし、人によって合う合わないも違います。
ただ、1つの判断基準として「自己資金は少ないけど時間はある」という方はスキャルピング、「自己資金に余裕があり、将来のために長期的にお金を増やしたい」という方はスイングトレードや長期トレードがおすすめです。
スキャルピングの特徴
スキャルピング(scalping)は、1日に何度もトレードを繰り返して、小さな利益をコツコツと積み上げます。
そのため、値動きのある通貨ペアでは、1日に10回~多い時には100回以上のトレードチャンスがあります。相場によって、トレード回数は大きく変わりますが、コツコツとトレードを続けることで、圧倒的に早く利益を増やすことが可能です。
もちろん、簡単ではありませんが、リスクを取ることができれば、1年で数十~数百%という利回りが実現可能です。
スイングトレードで同じ利回りを目指すと、1回のトレードで負うリスクが大きくなります。
スキャルピングよりも、スイングトレードのほうがハイリスクというわけではありませんが、リスクにさらされる時間が長くなります。すると、初心者ほどメンタルに影響を及ぼします。
おすすめの通貨ペアと時間帯
どんなに優れた手法であっても、すべてのトレードで活用できるわけではありません。
スキャルピングにはスキャルピングに合った通貨ペアと時間帯を選ぶことで、利益を大きく伸ばすことができます。
スキャルピングにおすすめの通貨ペア
FXでトレードできる通貨ペアは多数ありますが、スキャルピングでは、取引量が多く、スプレッドが狭いメジャーな通貨ペアを選ぶことがポイントです。
たとえば、ドル円(USDJPY)やユーロドル(EURUSD)、ポンドドル(GBPUSD)、ユーロ円(EURJPY)、ポンド円(GBPJPY)などです。
それぞれの通貨ペアのボラティリティは、時期によって異なるので、複数の通貨ペアを対象にするのがおすすめです。複数の通貨ペアを対象にすることで、トレードチャンスが圧倒的に多くなります。
反対に、マイナーな通貨ペアはボラティリティが低く、スプレッドが広いので、トレード回数の多いスキャルピングには向いていません。
通貨ペア選びを間違えると、手法が優れていても利益を出すことが難しくなってしまいます。このことを、しっかりと理解しておきましょう。
スキャルピングにおすすめの時間帯
スキャルピングは、取引回数が多い手法なので、1日中売買を繰り返すイメージがあるかもしれませんが、実際にトレードをするのはボラティリティが高い時だけなので、1日の中でも多くはありません。
ボラティリティが高くなりやすい時間帯は、「ロンドン・ニューヨーク時間の午前中(日本時間:15時~18時と21時~25時)」と「重要な経済指標発表時」です。
相場は1日中動いていますが、動きが小さい時間帯にチャートに張りついていても、時間の無駄になってしまいます。効率よく稼ぐために、相場が動く時間帯に集中してトレードをすることをおすすめします。
選択する通貨ペアや時間帯によって、スキャルピングの方法も変わるので、トレードする時間帯の特徴を押さえておこう!
トレードを避けたほうが良い時間帯
「経済指標発表や要人発言」と「参加者が少ない時」のトレードには、注意が必要です。
経済指標発表時にはボラティリティが高くなるのでは?と思った方もいらっしゃると思います。
指標発表や要人発言の直後には、急騰や急落する傾向があります。このようなタイミングには、どんなインジケータであっても、テクニカル分析はほぼ機能しなくなり、スプレッドも広くなります。
トレードのルールを確立していて、乱高下している相場でも、その値動きに合わせたトレードができれば良いのですが、初心者の方は、慣れるまでは経済指標発表や要人発言前後の時間帯のトレードは控えましょう。
また、中長期的にレンジ相場になっている時は、トレンドが発生するまで流動性が低かったり、クリスマスなどのイベント時には市場参加者が少なく、流動性を保つことができなくなり、少し大きな注文が入るだけで、価格が簡単に動いてしまいます。
すべての相場で有効な手法というのは存在しませんので、状況を見極めてシグナルを見送る判断も必要です。
スキャルピングで稼ぐコツ
スキャルピングで稼げるようになるには、コツがあります。
ポイントを押さえたトレードを意識するだけでも、利益が変わりますので、チェックしてみてください。
損小利大を意識
トレードに慣れてくると、勝率を上げることはできますが、大切なのは「勝率よりも損益率」です。
たとえば、9勝1敗だとしても、利確は毎回10Pips、損切りは200Pipsだった場合、たった1回の負けで損益はマイナスになります。逆に、1勝9敗だったとしても利確が200Pips、損切りが10Pipsならトータルはプラスです。
スキャルピングは、損大利小のトレードになりやすいので、これを意識することが重要です。手法を覚えたら、損小利大を意識しながら、何度もトレードを繰り返しましょう。
トレンドを意識
相場は、大きく分けるとトレンド相場とレンジ相場があります。相場の7割~8割はレンジ相場と言われていますが、スキャルピングはトレンド相場でトレードすることおすすめします。
レンジ相場の時は、いずれどこかで必ず「ブレイク」という現象が起きます。ブレイク後は、1つの相場の流れが終わり、新しい相場の流れが始まります。
トレンドが発生すると、サポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたり、上下動のリズムができてチャートパターンができるなど、価格が動くポイントを見つけやすくなります。
トレンド発生時のチャートは、しっかりと分析しましょう。
また、東京、ロンドン、ニューヨーク時間の始まりはトレンドが発生することが多く、テクニカル分析が機能しやすくなる傾向があります。
スキャルピングは、1分足チャートでトレンドが発生しているときが狙い目だね
トレンド発生時は、順張り(トレンドに沿った手法)と逆張り(反発や反落を狙う手法)のどちらでもチャンスがあります。
過去に同じような相場状況があったとしても、まったく同じではないので、その場に合わせて順張りor逆張りを選択しましょう。
ボラティリティを意識
トレンドの中でも、ボラティリティが出る相場こそチャンスです。
値幅が大きくなる相場では、勝率を落とすことなく、利益を大きくすることが可能です。たとえば、通常は2pipsを狙ったスキャルピングをしていても、ボラティリティが高いと、4pips~5pips取れることもあります。
同じようにポジションを保有していても、ボラティリティが高いと値幅が出るので、獲得pipsが大きくなります。
もちろん、その分損切り幅も大きくなりますが、テクニカル分析が機能しやすくなるので、損切り幅が大きくなっても圧倒的にプラスになります。
さらに、ボラティリティが高い相場は、利幅が大きくなるだけでなく、利益を得られるチャンスも多くなります。
つまり「ボラティリティがあるトレンド相場」を基本にトレードすることが、スキャルピングで稼ぐコツになります。基本をしっかり固めれば、その時の相場に合わせて判断することができます。
同じトレンドで取り返そうしない
損切りをした後、持っていたポジションの方向に価格が進んだり、再度エントリーした途端、また逆行して連敗するなど、悔しい思いをしたことは、1度は経験があるのではないでしょうか。
この時に絶対にやってはいけないのが、「すぐに負けを取り返そうとすること」です。
連敗すると冷静さを失い、負けた分を取り戻そうと焦って、大きなロットでエントリーなどをしてしまい、損失が大きくなるという悪循環に陥ります。
そのような状況を避けるためにも、同じトレンドで取り返そうとするのではなく、負けたらそのトレンドでのトレードはしないで、次のトレンドまで待つことが大切です。
時間を空けることで、冷静さを保つことができますし、同じトレンドで負けを取り返そうとすると、すべてのトレンドで勝とうとしてしまうので、少しの負けも受け入れられなくなってしまいます。
どんな手法であっても、勝率100%は不可能です。負けるトレンドもあるということを理解し、トータルで安定して勝てるようになることを目指してください。
スキャルピングの資金管理
資金管理の方法は、大きく分けて2つあります。
1つは、1回のロット数を増減させる方法で、期待値が高い場合や、ボラティリティがあるトレンド相場では、ロット数を増やします。
逆に、自信がない時には、ロットを減らすことで、メンタルへの影響も軽減できます。
2つめは、すべて同じロットでトレードをする方法です。ロットを一定にすることで、どの相場でも期待値通りの結果になり、調子が良い時は右肩上がりで資産が増えていきます。
どちらが良いというのはありませんので、メンタルや投資できる自己資金に合ったロット数でトレードするようにしましょう。
また、「〇連敗したらその日はトレードしない」「いくら以上負けたら一定期間はトレードしない」など、マイルールを決めておくこともおすすめです。
スキャルピングのリスク
投資には、必ずリスクがあります。リスクをゼロにすることはできませんが、リスクを理解して最小限に抑えることは可能ですので、スキャルピングのリスクについて知っておきましょう。
スキャルピングのリスクは、「トレード回数が多いこと」です。トレード回数が多いと、その分取引コスト(スプレッド)が多くなります。
スキャルピングは、少ない資金で大きな利益を得ることが可能ですが、1回のトレードで大きな利益を得られるわけではありません。1回のトレードで得られる利益は、ほんの僅かです。
スキャルピングで稼ぐためには、何千回、何万回というトレードを繰り返す必要があります。取引コスト(スプレッド)が高い業者を使っていると、どんなに優れたトレード手法だったとしても、負けてしまいます。
たとえば、スプレッドが0.3pipsのドル円で1日に30回トレードをした場合、1日に9pips(0.3pips×30回)、1ヵ月に180pips(9pips×20日)、1年間で2,160pips(180pips×12ヵ月)の取引コストが必要になります。
トレードを何十回、何百回と行うスキャルピングの場合には、取引コストは気にしておかなければならない問題です。
スキャルピングにはリスクもあるし、稼ぐのは難しいのでしょうか?
そんなことはありません。スキャルピングの場合、1度の利益は少なくても回数でカバーできるし、ポジションを長時間保有しないから大きなダメージを負いにくく、損害が出ても小さく済ませることができます。
少額の利益を積み重ねることで、最終的に大きな利益となります。
投資では、「いかにリスクを小さくし回避するか」というリスクヘッジが重要になってくるので、スキャルピングは、リスクヘッジの観点からすれば十分に有効な方法であるといえます。
スキャルピングに向いてる人・向いてない人
トレードスタイルは、人によって向き、不向きがあります。スキャルピングにチャレンジする前に、自分が向いているかどうかを簡単に分析してみましょう。
【向いてる人】
・判断力に長けていて、我慢強い人
・毎日チャートをチェックすることができる(時間がある)
・少額でも利益をコツコツ出していきたい人
【向いていない人】
・決断力がなく、単純な作業が嫌いな人
・忙しくて時間がない人
・集中力が長続きしない人
・1回のトレードで多額の利益が欲しい人
スキャルピングで勝つ!おすすめのFX会社
スキャルピングで勝つためには、FX業者選びも重要になります。
口座を選ぶ際のチェックポイントは、スプレッドの狭さと約定率です。
スキャルピングの場合、短時間のトレードを繰り返すので、スプレッドの狭さ(買値と売値の差)と約定率によって、勝敗が大きく左右されます。
一般的に、スプレッドは原則固定されていますが、経済指標時などには、一時的にスプレッドが拡大することがあります。
相場が大きく変動する場合、エントリーチャンスであることが多いですが「スプレッドが拡大していてエントリーできない」ということがあります。
表面上はスプレッドが狭いように見えても、実際にエントリーしたいタイミングではスプレッドが拡大している口座もあるので注意が必要です。
また、スキャルピングは、ティックチャートや1分足で細かい瞬時の動きを捉えるので、脆弱なシステムを使うことは致命傷になります。チャートを選ぶ際には、テクニカル分析がきちんと行えるかが重要です。
おすすめのチャートは、MT4です。
XM(XMTrading)のZero口座
私がメインで利用している口座はXM(XMTrading)のスタンダード口座ですが、XM(XMTrading)の唯一ともいえるデメリットは、スプレッドが広いことです。
これは、XM(XMTrading)がNDD方式やゼロカットシステムを採用しているからであり、ボーナスなどを考慮すると、スプレッドが広すぎるというわけではありませんが、スキャルピングに適した口座とは言えません。
XM(XMTrading)でスキャルピングをするのであれば、スプレッド特化型のZero口座がおすすめです。Zero口座はECN方式で、スプレッドは最狭 0pipsですが、取引手数料(1ロット10USD)が必要になります。
ECN方式:ブローカーは仲介しないで、注文は直接インターバンクに届いて処理される。業者による不正な価格操作の心配もなく、最も公正な取引。
取引手数料が別途必要と聞くと、デメリットに思えるかもしれませんが、Zero口座の実質の取引コストは「スプレッド+取引手数料」です。スタンダード口座と比較すると、Zero口座の方が取引コストが低くなります。
取引手数料は、確定申告で経費として計上できるよ
また、XM(XMTrading)の約定スピードは驚異的で、リクォートもスリッページもほとんど発生しません。注文から1秒以内の約定率は99.98%です。
250万人以上のユーザーがいるからこそ、瞬時に注文をマッチングさせることが可能です。ユーザーが増えても、その分サーバーを増強しているので、サーバーが重くなることもありません。
リクオート:注文時の価格で約定されずに、新しい価格での注文を提案されること
スリッページ:注文したレートとズレて約定すること
XM(XMTrading)のチャートは、世界で最も利用されているMT4の他、MT4の後継版であるMT5も使用することが可能です。
MATRIX TRADER(JFX)
国内のFX業者では、MATRIX TRADER(JFX)がおすすめです。国内のFX業者の多くはDD方式(顧客の注文を一旦業者内で決済する、いわゆる「ノミ行為」)が採用されています。
「顧客が損すれば損するほどFX業者は得をする、顧客が得すれば得するほどFX業者が損をする」という仕組みなので、稼ぎすぎると口座を凍結される可能性があります。
しかし、JFXは国内では数少ないNDD方式(顧客の注文を直接インターバンク市場へ流して取引を行う方式)です。
また、国内のFX業者の中にはスキャルピングが禁止されている業者もありますが、JFXではスキャルピングを公認しているので、口座凍結の心配もありません。
さらに、約定力は99.9%なので、スキャルピングに最適なFX業者と言えます。
そして、世界中で使われているチャートといえばMT4ですが、日本でMT4を提供しているFX業者は多くはありません。JFXではMT4が使え、独自のインジケーターもあるのでカスタマイズ性も抜群です。
FXはスキャルピングで稼げるか【まとめ】
スキャルピングで勝つためには、手法が大事だと考える方が多いようです。しかし、どんなトレードでも、「これさえ知っていれば必ず勝てる!」というような魔法の手法はありません。
勝つために必要なことは、「必要な知識を身につけ、ひたすら実践すること」です。この行動を続けた人が、勝てるようになります。
実際にトレードしてみると、知識だけでは知りえなかった気付きがあります。
最初は、思うようにいかないことの方が多いと思いますが、コツをつかむと、あとは淡々と繰り返すことで、投資を楽しみながらお金を稼げるようになります。
負けても焦らずに、エントリーからイグジットまでのポイントを見直して下さい。予想ではなく「根拠を持ってトレード」ができるようになれば、徐々に勝てるようになっていきますよ。