FXで取引するとき、成行注文や指値注文など、基本的な注文方法のみで取引しているという方もいます。
ですが、FXには、2~3つの注文を同時に出せる便利な特殊注文があります。特殊注文を活用すると、1回の注文でエントリーからイグジット(決済)まで完了させることができます。
せっかく便利な注文方法があっても、使いこなせなければ意味がありません。
エントリーや決済するタイミングが、ほんの少し違うだけでも、取引を繰り返すことによって、損益に大きく影響します。
今回は、FXの便利な注文方法を、詳しく解説したいと思います。便利な注文方法をマスターして、どんどん利益を増やしていきましょう。
成行注文
FXで最も基本的な注文方法が、画面に表示されたレートを、クリックするだけで注文することができる成行注文です。
レートや時間を指定せずに、今の水準で売買するので、今買いたい、すぐに売りたい、というときに便利な注文方法です。
画面に表示されたレートをクリックして、その注文がFX会社のサーバーに届いた時点で約定します。
操作手順が少ないので、発注までのスピードが速いですが、市場が過熱しているときは、レートが動いて注文が成立しなかったり、発注したレートと約定レートが異なる場合があります。
指値注文
指値注文とは、指定したレートで、買い / 売りの注文を約定させる注文方法です。
指定するレートは、買いであれば現在のレートよりも低く、売りであれば現在のレートよりも高く設定します。
たとえば、1ドル=100円のときに、今後さらに価格が上がると予想した場合、1ドル=99円で買いの指値注文を出します。
予想通り1ドル=99円まで下がると、買い指値が約定して、ポジションを獲得できますが、99円まで下がらずに上昇すると、約定しません。
予想に反して、価格がぐんぐん上昇してしまった場合には、忘れずに注文を取消しましょう。取消しないと、忘れた頃に突然約定してしまうことがあります。
逆指値注文
逆指値注文は、「指定の価格以上になれば買いの成行注文を出す」、「指定の価格以下になれば売りの成行注文を出す」という一定の条件をつけて発注する注文方法です。
逆指値の基本的な使い方は、損切りです。逆指値を入れておかないと、損失を膨らませてしまうことになりかねません。
また、逆指値を入れて、利益を確保する方法もあります。
※逆指値は、相場の急変時、指定したレートよりも不利なレートで約定する場合があります。
損切り
たとえば、1ドル=100円で買い、ポジションを保有しているときに下落し、買いレートの100円を割り込んだ場合、損失がどれだけ大きくなるのかは、わかりません。
そこで、「99円まで値下がりしたら売り」という逆指値注文を出しておいて、損失を限定します。逆指値注文を入れて、損失を限定させることで、塩漬けを避けることができます。
利益確保
たとえば、1ドル=100円で買いポジションを保有しているときに、1ドル=101円まで値上がりしました。まだ相場は上がると思っていても、急落があると利益を失う恐れがあります。
そのような場合、少しでも利益を確保するために、1ドル=100.5円で逆指値注文を出しておくと、相場が急落しても、一定の利益を確保することができます。
OCO(オーシーオー)注文
OCO注文とは、損切りと利確の2つの注文を同時に発注し、どちらか一方の注文が約定すると、もう片方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法です。
たとえば、現在レートが1ドル=100円のときに、OCO注文(買い指値 / 99円 売り指値 / 101円)を出しておくと、相場が上下どちらに進んでも、現在レートよりも有利なレートで約定させることができます。
決済として注文を入れる
また、相場の動きを想定し、予め利益確定の範囲、または、損失限定の範囲を決定した注文を出すことが可能です。
たとえば、1ドル=100円で買った場合に、決済注文としてOCO注文を用いた場合、決済の売り指値101円、売り逆指値99円を発注しておくと、相場が上がった場合は利確することができ、相場が下がった場合は損失を限定することができます。
IF-DONE(イフダン)注文
IF-DONE注文は、新規注文を発注すると同時に、その新規注文に対する決済注文を予約します。
IF-DONEは、「If done or der」の略で、もしAの取引が成立したら、Bの取引を発注するという連続した注文方法です。
たとえば、現在レートが101円で、その後、100.5円まで下がった後に上がると予想します。その時にドルが100.5円になったら買い、103円になったら売るというIF-DONE注文を出しておきます。
このとき、100.5円の買い指値に対する損切り注文はセットされていないので、改めて損切り注文を出す必要があります。
もし、上昇トレンドが強くて、利益が伸びそうだと予想するのであれば、99円で売りなどの損切り注文に使うこともできます。
IF-DONE注文は、取引画面を見ていなくても、ある程度相場を予想して、注文を出しておくと、エントリーと決済を自動的に行うことができます。
IF-OCO(イフダンオーシーオー)注文
IF-OCO注文は、IF-DONEとOCOを組み合わせた注文方法です。新規注文を出すと同時に、利確注文と損切注文の2つの決済注文を出すことができます。
決済注文は、片方の決済注文が約定すると、もう一方の注文は、自動的にキャンセルされます。
エントリー注文には、指値も逆指値も使えるので、チャートに張りついていられない人にとって、とても便利な注文方法です。
たとえば、現在のレート、1ドル=101円から、100円まで下がり、その後上がると予想します。その時にドルが100円になったら買い、103円になったら利確売り、リスク回避のために、99円で損切りをするというIF-OCO注文を出しておきます。
ドルが予想通りに100円になると、100円の買い指値注文が約定し、ポジションができます。
100円の買い注文が約定したあと、103円まで上がらずに下がったしまった場合、99円で損切り注文が約定して、1円の損失が確定します。
このとき、同時に注文していた103円の利確注文は、自動的にキャンセルされます。
トレール注文
トレール注文は、レートの上昇幅や下落幅に合わせて、逆指値のレート水準を自動で修正してくれる便利な注文方法です。
たとえば、1ドル=100円の買いポジションに対して、0.5円幅でトレール注文を出します。
100円から下がってしまうと、99.5円になったところで約定し、0.5円の損失となります。100円から上昇すると、トレール注文も0.5円幅ずつ上がっていきます。
つまり、ドルのレートが上がり続ける限り、トレール注文も上がり続け、最高値と0.5円の差を保ちます。
その後、レートが下がってきた時に、一緒に下がってしまっては意味がないので、1度上がったトレール注文は変わりません。
常に、高値から0.5円下がったら決済となるので、損切りラインを上げながら、利益を伸ばすことができる、便利な注文方法です。
注文時の詳細設定
両建
両建を「あり」にすると、同一通貨ペアの売りと買いを同時に保有することができます。
両建を「なし」にすると、同⼀の通貨ペアの反対ポジションを保有している場合は、決済注文として、約定日時の古いポジションから決済されます。
許容スリップ
許容スリップを設定すると、現在のレートから指定した範囲内でエントリー・決済注文が約定します。レートが大きく変動している場合など、許容スリップに設定した変動幅を超えた場合には、取引が成立しません。
許容スリップを「0」に設定すると、注⽂価格と約定価格に差が発生した場合、成行注文が約定しません。
期限
注文の有効期限を設定することができます。
- GTC:成立するか、自分でキャンセルするまで有効(無期限)
- 当日:翌7:00AMまで(米国夏時間は翌6:00AM)まで有効
- 時間指定:日付+時間指定が可能
FXには便利な注文方法がたくさんあるから、上手く使えば利益も増えるね。
はじめはデモ口座を使って操作を覚えるのがいいかも!