投資とは?投資の基本

あなたは投資について、どのようなイメージがありますか?

「ギャンブルみたいなもの」「むずかしい」「リスクがある」「成功すると大金持ち、失敗すると借金地獄」「投資のためのお金が必要」など、さまざまなイメージがあるかと思います。

もちろん、リスクはゼロではないですが、投資について理解することで、リスクを軽減することは可能ですし、投資は数百円から始められます。

投資が危ないのではなく、投資のことを理解しないで投資したり、リスクをとりたくないからと、何もしないことのほうが、よっぽど危ないように思います。

今回は、投資に関する基本、「貯蓄、投資、投機」の違い、投資のリスクについて解説します。

投資に関する正しい知識を身につけ、将来の備えをはじめてみませんか。

投資とは?

投資とは、将来的に資産を増やすために、現在の資産を投じることをいいます。投資にはさまざまな種類がありますが、どのような方法であっても、投資には必ずリスクを伴います。

基本的には、大きな利益を狙うと、損失も大きくなります(ハイリスクハイリターン)。

しかし、長期間かけてお金を増やすことによって、リスクを軽減することが可能になります。

資産運用をする際には、「貯蓄、投資、投機」の違いを理解しておきましょう。

貯蓄:金融資産を蓄えること
投資:長期的に資金を投じること
投機:短期的な取引で大きな利益を狙うこと

貯蓄と投資の違い

資産の運用方法には、「貯蓄」と「投資」があります。

貯蓄も資産運用なの?と思うかもしれませんが、資産運用とは「自分の目的に合わせて適切な金融商品を選び、計画的にお金を貯めたり増やすこと」です。そのため、銀行の預金も資産運用の1つと言えます。

基本的には「貯蓄はお金を貯めること」「投資はお金を増やすこと」が目的です。

では、何を基準に「貯蓄」と「投資」を使い分ければいいのでしょうか?

銀行などに預けている預金は、基本的には自由に引き出せるお金です。普段の生活資金や近い将来に使う予定があるなど、すぐに必要となる可能性のあるお金は、比較的自由に引き出すことのできる「貯蓄」として、持っておきましょう。

「投資」は、利益を期待してお金を増やす資産の運用方法です。投資をすると、利益が得られる可能性がありますが、損をしてしまう可能性もあります。

また、急にお金が必要になったとしても、投資した資産を売却して現金に換えるなど、一定の手続きが必要で、解約の制限がある場合もあります。

そのため、老後資金や余裕資金など、10年後、20年後といった少し遠い将来に使うお金を、長い期間をかけて少しずつ増やしていきましょう。

複利効果

「複利効果」とは、運用で得た収益や利息を再び投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことをいいます。

運用期間が長ければ長いほど、複利の効果を実感することができます。

投資の場合、運用次第では値下がりすることもありますが、長期間投資をすることによって、価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できます。

お金を貯める仕組みづくりができたら、あとはコツコツと継続するだけで、複利効果によって投資資金はどんどん大きくなっていきます。

投資と投機の違い

「投資」と「投機」の大きな違いは、目的と期間です。

投資は、将来の資産を増やす目的で、現在の自分の生活に支障の出ない範囲で行います。同じ投資対象を長期保有することで、相場の急変には左右されにくいという特徴があります。

リスクをゼロにはできませんが、リスクを限りなく小さくすることができます。

投機は、短期間で相場の変動を利用して利益を得る取引です。ハイリスクハイリターンの傾向が強く、ギャンブル的要素が強くなります。

  投資 投機
メリット

・複利の効果が得られる
・長期保有によりリスクを抑えられる

・短期間で利益を得られる
・少ない資金で大きな利益を狙える

デメリット

・長期保有が前提
・遠い未来の予測は立てにくい

・投資よりもコスト(手数料)がかかる
・ハイリスクハイリターン

ギャンブルとは

ギャンブルは、短期的にお金を増やすための方法で、ゲームのように楽しむことができます。
投資と違い、ギャンブルは基本的に「運」で結果が大きく左右されます。

また、ギャンブルで大当たりすると、ベータドルフィンと呼ばれる脳内物質が多く分泌されます。ベータドルフィンは、強い快感物質です。だからこそギャンブル依存症にならないように、自制が大切です。

ゼロサムゲーム・プラスサムゲーム・マイナスサムゲーム

ゲーム理論(人間の行動や経済活動を数値モデルで把握する理論)の用語に、「ゼロサムゲーム」「プラスサムゲーム」「マイナスサムゲーム」という言葉があります。

サム(sum)とは「合計」のことで、人とお金の関係を表しています。

投機は「ゼロサムゲーム」

ゼロサムとは、お金を増やした人と減らした人の合計がゼロになることを言います。つまり、勝った人の利益は、負けた人の損失から拠出されているということです。

明確に勝ち負けがあり、負けにも限りがある場合がほとんどです。ゼロサムゲームをする場合には、無理をしないで、負ける可能性も想定しておくことが大切です。

ギャンブルは「マイナスサムゲーム」

マイナスサムゲームは、お金を増やした人と減らした人の総和がマイナスになることを言います。
参加すると必ずマイナスになるとわかっていれば、誰も参加したくないですよね。

マイナスになる原因は、ゲームには運営が存在していて、投資されたお金の中から一定額を利益として得ているからです。

宝くじや競馬などの公営ギャンブルは、マイナスサムゲームです。特に宝くじは気軽に誰でも100円から参加することができます。「たった数百円で億万長者になれるかも」と思ったら夢がありますよね。

でも、実は宝くじの還元率は46.5%です。1,000万円分の宝くじで考えてみると、465万円を当選者に分配し、535万円が胴元の利益です。

ちなみに、競馬や競艇は75%、パチンコは70%~90%の還元率と言われています。

投資は「プラスサムゲーム」

プラスサムゲームは、、誰もが利益を手にすることができる可能性があります。

たとえば、株式投資の場合、企業は業績を拡大させることで、一株あたり利益を増加させることができます。その結果、株価があがり配当が増えるので、株主全員が利益を得ることができます。

ただし、短期では、値動きに左右されてしまうので、10年、20年という長期間で考える必要があります。

プラスサムゲームで得られる利益は少ないので、大きな利益を狙う場合には、ある程度の資金が必要になります。しかし、確実性は断トツNo.1です。

投資のリスク

投資には必ず「リスク」があります。リスクにも、さまざまな種類があるので、リスクについて理解しておくことが重要です。

  • 価格変動リスク:価格が変動することによって投資した資産の価値が変動する
  • 信用リスク:国や企業が、財政難や経営不振などの理由で、債務不履行(利息や元本などを支払うことができなくなること)になる
  • 流動性リスク:市場での取引量が少ないことで、希望した価格で売りたくても売れない状態
  • 金利変動リスク:金利の変動により資産の価値が変動することで、特に債券は金利の変動に大きな影響を受ける
  • 為替変動リスク:為替相場の変動により、外貨建て資産の価値が変動する可能性のこと

分散投資でリスクを軽減

値動きが大きく、ハイリスクハイリターンの投資ほど、リスクを分散する必要があります。
分散投資には、「資産の分散」や「時期の分散」などがあります。

資産の分散

投資対象となる資産には、さまざまな商品があり、同じ値動きをするわけではありません。たとえば、株式と債券は、異なる値動き(株式が値上がりするときは、債権が値下がりする)をすることが多いです。

このような値動きの違いに着目して、異なる値動きをする資産を組み合わせて行う投資が「資産の分散」です。

資産の分散をすると、特定の資産が値下がりした場合でも、他の資産の値上がりでカバーすることができるので、価格変動のリスクを軽減することができます。

なお、投資信託の中には、ファンドマネージャー(投資信託の運用者)が、さまざまな資産や地域を対象に投資を行う「バランス型」のものがあります。

バランス型の投資信託を購入すると、自分で分散投資を行わなくても、資産を分散させることが可能になります。

「投資信託」

投資信託とは、色々な企業が1つにまとめられている詰め合わせ商品というイメージです。投資家は、詰め合わせ商品の一部分を、購入額に応じて保有することができます。

「日本株のみを集めた投資信託」もあれば、「日本株と米国株、国債などで構成された投資信託」など、さまざまな種類があり、少ない資金で多くの国や企業に間接的に投資することができるというメリットがあります。

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時期の分散

個々の資産は、その性質に応じて、さまざまな値動きをします。

そこで、1度に多額の投資を行うのではなく、積立投資のように、定期定額で投資を行うことで、時期による値動きに応じて、価格が高い時期には少なく、価格が低い時期には多く投資を行うのが「時期の分散」(ドル・コスト平均法)です。

経済の動向などによって、高い価格で投資を行う時期と低い価格で投資を行う時期がありますが、長い目で見ると、1回あたりの投資価格は平準化されるので、短期的な急な値下がりなどが起こっても、それによって生じる損失を軽減することが可能になります。

ドルコスト平均法:価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、時間を分散して定期的に買い続ける手法で、長期資産形成に向いています。

投資の基本【まとめ】

投資は、比較的安定して着実に資産を増やすことができますが、時間がかかります。投機は、短期的に大きな利益を得られる可能性がありますが、相応のリスクがあります。また、投機で成功するためには、メンタルとタイミングも重要になります。

投資と投機は、どちらが良い悪いということはありません。それぞれに、メリットデメリットがありますので、目的に合わせて使い分けることが重要です。

また、今までは、投資に興味を持った人しか投資について学ぶことはありませんでしたが、2022年度から、ようやく投資の基本や、将来に備えた資産形成の重要性など、投資教育が導入されることになりました。

銀行にお金を預けていても、増えるどころか手数料でマイナスになってしまうような時代です。投資も投機も、数百円程度から始めることができますので、まずは少額から始めてみてはいかがでしょうか。

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