金(ゴールド)投資の種類や特徴をご紹介!

金(ゴールド)投資の種類や特徴をご紹介!

新型コロナウイルスの影響もあり、2020年は、金の価格が高騰し、8月には1トロイオンス(約31g)あたりの価格が、2067ドルと過去最高額に達しました。

現在は少し落ち着きましたが、依然として上昇傾向にあり、金投資が注目されています。

そんな金投資には、さまざまな種類があります。金投資に興味があるという方は、特徴やメリットデメリットを理解して、自分に合った方法で金投資を始めていただきたいと思います。

金投資とは

金投資とは、金を対象として投資することをいいます。金は希少性が高く、相場も安定しているため、投資対象として人気があります。

金は、価値の保存のしやすさ、加工のしやすさ、権力の象徴として、世界の金融政策の中心にありました。現在でも、多くの国や中央銀行などは、準備資産として金を保有しています。

金の価格変動

金は市場で取引されるため、価格は常に変動します。通常、株価が上昇すると金の価格は下落し、株価が下落すると上昇する傾向が高いため、分散効果が高いと考えられています。

金は国際的に米ドル建てで取引されることから、日本の投資家が日本円で金に投資する場合、国際的な金価格の値動きだけでなく、米ドル/円の為替相場の影響も受けます(円安になると国内金価格が上がる、円高は逆)。

そのため、為替変動リスクも考慮する必要があります。その他にも、「需要と供給のバランス」「各国の経済動向や金利の状況」「原油等の資源価格」「地政学リスク」などが価格変動の要因となります。

金の価格変動は比較的緩やかなため、大きく利益を得ることは難しいですが、トラブルの際には、お守りの資産として活用できます。

金投資のメリット・デメリット

金はインフレ(物の価値が上がり、現金の価値が下がる)に強い資産で、災害時や戦争、世界情勢の混乱時などにも上がる傾向があり、「有事の金」と呼ばれています。

金の価値は、世界共通で認められていて、市場が開けているため、売買しやすいというメリットがあります。

また、株式や債券などに投資する場合、国や企業が破綻すれば、株式や債券の価値はゼロになりますが、金には発行する機関がなく、安全性や信頼性に優れています。

しかし、金には利子や配当などがないため、保有しているだけでは利益を得ることができません。もちろん、購入時よりも価値が下がれば元本割れをするリスクもあります。

そして、金地金などで購入する場合は、盗難や紛失リスクがあります。銀行や管理業者などで保管する場合には管理コストがかかり、業者の破綻リスクもあります。

金に限らず、投資をする際には、メリットとデメリットを知っておくことが大切です。

金投資の種類

金投資といっても、さまざまな方法があります。
それぞれの特徴やメリットデメリットをご紹介します。

金地金の購入

1番簡単な金投資は、宝飾店や貴金属店などで、買いたいときに金を購入する方法です。

金地金は、板状で「金の延べ棒」と呼ばれるものです。金貨などは、加工費がかかるため、金地金の価格よりも割高になっています。

販売業者によって異なりますが、基本的には、1,000円や1gなどの少額・少量から購入できます。500g未満の金地金を売買する際には、バーチャージと呼ばれる手数料がかかります。

どこの業者で購入しても、品質や純度に変わりはありませんので、手数料や購入する量などを基準に選ぶと良いです。

また、金地金は、自分で現物を保有することができますが、盗難リスクも高まります。不安な場合は、販売業者に預けたり、銀行などの貸金庫を利用することもできますが、手数料が発生します。

メリット: 金の現物を手元で保有できる
デメリット: 盗難リスクがある、保管コストがかかる、少量だと手数料が高い

純金積立て 

純金積立は、毎月一定額を継続して金を購入する投資手法です。毎月1,000円や1万円など、金額を決めて購入する定額積立や、1gや10gなど、数量を決めて購入する定量積立があります。

定額積立の多くは、1,000円単位で積立てることが可能です。基本的には、毎月の積立金額を営業日数で日割りした金額で、営業日ごとに自動的に金地金を買い付けていく「ドルコスト平均法」が採用されています。

現物がないので盗難リスクがなく、積立てた金は、引き出したり金貨などに交換することが可能です。

純金積立は、銀行や証券会社、貴金属メーカーなどで取り扱われていて、インターネットでも申し込みが可能です。

手間暇がかからず気軽に投資をすることができ、保管するリスクもコストもかかりません。基本的には、数年単位の長期で積立をして、資産の総額を増やす投資方法です。一定の利益が出れば、確定申告が必要です。

メリット: 少額から始められる、自動積立が可能、金の現物に交換できる
デメリット: 手数料が比較的高い、保管方法によって業者の破綻リスクがある

金の投資信託 

投資信託(ファンド)は、多くの投資家から資金を集めて、ファンドマネージャー(運用のプロ)が株式や債券などを選んで運用し、得た利益を投資家の投資額に応じて分配する仕組みの金融商品です。

金の投資信託は、金の現物や金に連動する金融商品に投資を行います。純金積立よりも、さらに少額(100円)から自動積立をすることが可能です。

また、万一、投資信託をしている銀行や証券会社が破綻しても、保有している資産が守られるというメリットがありますが、現物を保有することはできません。

投資信託は、銀行や証券会社で購入することが可能です。利益があれば、基本的には確定申告が必要ですが、特定口座を選択すると源泉徴収されるので、確定申告が不要になります。

メリット: 少額から始められる、自動積立ができる、業者の破綻リスク・盗難リスクがない
デメリット: 金を保有できない、管理コストが金ETFよりも高い

金ETF

ETF(上場投資信託)とは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような、特定の指数に連動する投資信託で、証券取引所に上場されている金融商品です。

金ETFは、運用成果が金価格の動きに連動するように設定されています。投資信託よりも手数料が低く、金融機関が破綻した場合でも、保有資産は守られます。

ただし、投資信託のように自動積立をすることはできないので、その都度購入する必要があります。

金の投資信託と同様に、銀行や証券会社で購入することができます。

メリット: 管理手数料が安い、業者の破綻リスクや盗難リスクがない
デメリット: 金を保有できない(保有できるETFもある)、自動積立ができない

金先物

先物取引とは、ある商品を、将来の特定の時期における売買を約束する取引です。つまり、先に価格を決めて、あとで商品の受け渡しをします。

たとえば、1年後に今の価格で買う約束をして、1年後に金を受取るという取引をします。この場合、1年後にどれだけ価格が上昇していても、下落していても、買う約束をした1年前の価格で受け取ることができます。

先物取引は、買いor売りのどちらからも取引が始められ、証拠金を差し入れると、元手となる資金の数倍の金額の取引をすることが可能です(レバレッジ取引)。

比較的少額の資金で取引をすることができ、短時間で大きな利益を得られる可能性がありますが、短時間で大きな損失が生じる可能性もあります(ハイリスクハイリターン)。

金先物は、証券会社や商品先物業者で購入することができます。金は、基本的に中長期投資に向いていますが、金先物は短期的に効率よく利益を上げる投資方法です。

メリット: レバレッジを効かせて、自己資金以上の大きな金額で取引できる
デメリット: ハイリスクハイリターン、中長期の投資には向かない

その他の貴金属

金以外にも、プラチナや銀などの貴金属にも投資をすることができます。

プラチナは、金と比べても生産量は圧倒的に少なく希少価値の高い貴金属です。基本的に金より高い値で取引されてきましたが、最近では値を下げ、国内では金価格を下回って推移しています。

銀は、金よりも安価で、一部の海外投資家を中心に人気があります。ただし、市場規模が小さく安価なことから、金より大きく値動きする特徴があります。

プラチナや銀は、金と同様に、現物購入や積立、ETFなどで投資が可能です。

金投資の種類を比較

  金地金 純金積立 金の投資信託 金のETF 金の先物
購入方法 貴金属店 貴金属店、銀行 証券会社、銀行 証券会社、銀行 証券会社、銀行
現物保有 可能 可能 不可 不可 不可
破綻リスク 保管方法によって異なる
特徴 手軽 毎月自動で
積立て可能
プロが運用
自動積立できる
手数料が安い
自動積立て不可
ハイリスク
ハイリターン
利益の税金 総合課税 総合課税 申告分離課税 申告分離課税 申告分離課税

金投資商品

証券会社で購入することができる金投資商品をご紹介します。管理方法や手数料などを考慮しながら、自分に合った投資方法を選択しましょう。

純金積立

純金積立が可能な証券会社のおすすめは、SBI証券、マネックス証券です。

  SBI証券 マネックス証券
取扱い商品 金・銀・プラチナ 金・銀・プラチナ
積立額 1,000円以上1,000円単位
1g以上1g単位
1,000円以上1,000円単位
1g以上1g単位
買付手数料 売買代金×2.0%(税込2.2%) 約定代金の1.5%(税込1.65%)
売却手数料 無料 無料
スポット購入 積立と同単位・同条件で可能 積立と同単位・同条件で可能
引き出し 価格問い合わせにて通知 100gで6,000円、別途送料2,000円

このほかにも、田中貴金属工業や三菱マテリアルなどもありますが、SBI証券やマネックス証券よりも手数料が高く、最低積立額は3,000円からになります。もちろん、品質や純度はどれも同じです。

金に関連する株式

金に関連する会社の株価は、金価格以外に、企業業績にも影響を受けます。

国内は、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)など
海外は、バリック・ゴールド(GOLD)、アングロゴールド・アシャンティ(AU)などがあります。

外国株式の金鉱株は、為替変動リスクも考慮する必要があります。

 

GOLDはカナダ・トロントに本社を置く世界2位の金鉱会社だよ

金ETF

SPDRゴールド・シェア(1326)や金価格連動型上場投資信託(1328)などがあり、投資対象は金現物ですが、金現物との交換はできません。

金の果実として有名な純金上場信託(現物国内保管型)(1540)は、投資対象は金現物で、金現物との交換も可能です(手数料が必要)。

ETFに投資する場合には、売買手数料や信託報酬、金現物と交換できるかどうかを比較しましょう。

マネックス証券公式サイト

金投資のまとめ

金投資と一言でいっても、金地金や純金積立、金ETFなど、さまざまな投資方法があります。

基本的には、長期保有を前提とした投資方法なので、短期間の価格の変化で一喜一憂しないことが大切です。金は安全資産と言われていますが、リスクのない投資商品はありません。

金の価格変動は比較的緩やかなため、大きな利益を得ることは難しいですが、金の価値がゼロになることはありません。しかし、配当や利息等がないというデメリットがあります。

また、同じ商品であっても、取り扱う業者によって手数料などが異なります。利回りが数パーセントで、手数料が高ければ利益がほとんど残らないこともあります。

手数料とサービスなどを総合的に判断して、投資商品を選ぶようにしましょう。迷ったら、少額からでも自動積立ができる「純金積立」から始めてみてはいかがでしょうか。

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