債権と株式の違いとは?債券市場の仕組みを解説

債権と株式の違いとは?債券市場の仕組みを解説

債権の売買市場

債権は、市場で取引されていますが、具体的な市場があるわけではありません。 

原則として、発行日から証券取引所に上場されていますが、株式などと比べて証券取引所での取引は少ないです。では、どのように取引されるのでしょうか。

証券取引所に上場されて売買されるよりも、銀行や証券会社などの業者と機関投資家の間で直接売買されています。

この直接取引は、取引所取引と区別するために、店頭取引(OTC)とも呼ばれています。

店頭と言っても、証券会社などの店頭で売買されるのではなく、主にインターネットや電話などで、金融機関同士で直接取引をします。

債権は、銘柄数が多いものの、各銘柄間に金利裁定が働くため、同じ方向に動くことが多く、個別銘柄ごとに競争売買を行う取引所売買に馴染まないからだと言われています。

債権は利回りで売買する

債権は、利率や残存期間によって価格が異なることで、割安割高を比較するには利回りが便利です。金利が低下すると債権の価格は上昇し、金利が上昇すると価格は低下します。

債権の利率とは、額面金額に対して、毎年受け取る利子の割合を示し、債権の発行時に決められています。利子は、国債などを中心に、半年ごとに支払われる仕組みのものが多くあります。

これに対して利回りは、その債権がもたらす年間当たりの収益のことを示します。債権の価格と償還額面金額の差額を、残存年数で割ることによって算出される、年あたりの差損益に、利子を加えて、年あたりの収益性を示しています。

債権の利回りは、残存期間に応じて異なります。通常、短い期間の金利が低く、長い期間の金利が高いことが多いのですが、実際には反対になるケースもあります。

残存期間と価格変動の関係

国債などの証券は、償還まで持てば額面で償還されますが、途中で売却する場合には、債券市場の状況によって売却金額が異なります。さらに、残存期間によって、利回りも見方も違ってきます。

売却時は、買付時よりも残存期間が短くなってきているので、10年国債を買っても、5年経過していれば、10年国債の利回りではなく、残存5年の国債の利回りを基準にみなければなりません。

債権を売買する際には、残存期間に応じた利回りが、どの程度の水準にいるかによって、利回りが見出され価格が決定します。

残存期間の長い国債ほど、同じ利回り幅の変化に対して、価格が大きく変動する性質を持ています。

このため、長期金利が上昇すると予想している場合、なるべく価格変動の小さい期間の国債を買い、利回りが低下すると予想している場合には、長期のものを買っておくと、値上がり益が大きくなります。

債権の現先取引

債券現先取引とは、一定期間後に一定価格での反対売買を約束して行う債権の購入取引です。債権現先取引は、形式上は債券売買となりますが、実質的には債権を担保とする短期の資金貸借取引です。

債券現先市場は、証券会社の資金調達手段としてオープン市場で最初に調達した取引です。

証券会社は、手持ちの債券をもとにして、売り現先を行うことで資金を調達するようになり、この動きが広まったことによって、現先市場が自然発生的に形成されました。

現先取引には、自己現先と委託現先があり、証券会社などの債券ディーラーが、資金調達のために保有している債権を、買い戻し条件付きで売却するものを自己現先といいます。

そして、債券ディーラー以外の売り手が債券ディーラーを通じて売り現先を行うことを委託現先といいます。

デリバティブとは

デリバティブとは、伝統的な金融取引である預金や借り入れ、証券、外国為替、株式などの取引による相場変動のリスクを回避するために開発された金融商品の総称で、先物やオプション、スワップなどの取引のことを言います。

デリバティブには、派生物という意味があり、債権や株式などの現商品に対する派生商品といった意味で、金融派生商品とも呼ばれています。

商品別に分類すると、短期金利から派生したもの、債権から派生したもの、通貨から派生したもの、株式から派生したものなどがあります。

取引種類で分類すると、主に先物、先渡し、スワップ、オプションの4種類があり、先物にオプション機能を付加したような複合商品もあります。

金融関係では、金利先物、FRA(金利先渡し)、金利スワップ、債券先物、現物債のオプション取引といえる選択権付債券売買が代表的です。

先物に、オプション機能の付いた金利先物オプションや、債権先物オプション、スワップにオプション機能の付いたスワップションなどもあります。

通貨関連では、通貨先物、通貨スワップ、通貨オプション、複合商品である通貨先物オプションや、FX(外国為替証拠金取引)などがあります。

株式関連では、株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプションに加え、複合商品である株価指数先物オプションなどがあります。

金利と株価指数等を交換するエクイティ・スワップや、債務と株式を交換するデット・エクイティ・スワップ、信用リスクを売買するクレジットデリバティブもあります。

デリバティブ取引の特徴

リスクヘッジ

デリバティブ取引の特徴として、リスクを制御することが可能になります。

たとえば、債権の現物国債を保有している場合、金利が上昇すると予想すると、今後、保有する債券の価格が下落する可能性があります。

価格下落を回避するためには、現物を売却して、下がった後で買い戻すこともできますが、保有していない期間の利子を逃すことになります。

そこで、債権のデリバティブ商品である債券先物を売るなり、現物オプション取引で売る権利であるプットオプションを買うなど、デリバティブを活用することによって、現物の価格は下落したとしても、デリバティブ取引で利益を得ることで、ある程度の損失をカバーすることができます。

レバレッジ効果

レバレッジは、少額の資金で、多額の原資産を売買した場合と同じ大きな経済効果が得られます。

デリバティブ取引で主に必要とされる金額は、オプションであればオプション料となり、金利スワップであれば金利の部分、先物であれば証拠金となります。

これらは、原資産の原本と比較すると、きわめて少額です。

オフバランス

オフバランス取引とは、伝統的な取引とは異なり、貸借対照表に計上されない取引のことで、簿外取引とも呼ばれています。

資産効率の改善などが期待できるため、近年オフバランス化を図る企業が増加しています。

流動性の向上

現物取引にデリバティブ取引が加わることによって、それぞれの市場の間で裁定が働くようになり、あらたな収益チャンスが広がることで、売買高の増加が期待できます。

債券先物取引

1985年10月に、戦後初の金融先物として、長期国債先物取引が東京証券取引所に上場されました。これは、国債の発行残高の増大にともなって、価格変動に対してヘッジする手段が求められたためです。

先物取引の特徴は、売買単位や受渡期日などの取引条件が定型化され、一定の証拠金を差し入れるだけで売買ができ、反対売買による差金決済によって、期日以前に決済することができます。

先物における証拠金は、取引所にその取引を保証するために預け入れる資金です。先物取引を行う際には、この証拠金を預託すれば売買することができます。

これにより、現物を持っていなくても、売りから入る(ショート)こともできます。反対に、買いから入ることをロングと言います。

オプション取引

オプション取引とは、債権などの現商品を、一定の権利行使日や期日までに、特定の権利行使価格で、買い付けるまたは売りつける権利を売買する取引のことです。

権利行使が、満期の特定日のみに限定されているオプションをヨーロピアンタイプと言い、オプション取引の開始日から取引最終日までの期日であれば、いつでも権利行使できるオプションをアメリカンタイプと言います。

現在、日本の市場で取引されている債権オプション取引は、上場オプション取引(先物オプション)店頭オプション(現物オプション)に分けられます。

現物債のオプション取引と言える選択権付債券売買取引は、通常の債券売買と同様に、店頭で取引されています。

オプションには、買う権利の売買、売る権利の売買があり、権利行使価格もさまざまな設定が可能で、複数のオプションを組み合わせて、現物取引にはない損益パターンをつくることができます。

先物取引と同様に、オプション取引も価格変動リスクをヘッジする重要な手段となっています。

スワップ取引

スワップ取引とは、交換するという意味で、同じ通貨で異なるタイプの利子を交換するのが金利スワップです。

たとえば、固定金利と変動金利を交換することも、スワップ取引によって可能になります。スワップにオプション機能が付いたスワップションと呼ばれる取引もあります。

金利スワップ取引の場合、今後の金利の低下を読んで、債券を買うことと同じ効果を持つ取引は、固定金利を受け取る取引でレシーブと呼ばれ、金利が上昇し、債券価格が下落しそうだと予想した場合、固定金利を支払えばよく、ペイと呼ばれます。

仕組み債

仕組み債は、先物取引やオプション取引、スワップ取引といったデリバティブ取引などを通常の債券に組み込むことによって、投資家の複雑なニーズに合うように設計された特殊な債券です。

購入する投資家の投資目的、投資期間、相場観、リスク許容度などに応じてオーダーメイドできる反面、デリバティブが組み込まれていることなどから、原則として途中売却できないものが多く、売却できたとしても、売却先は仕組み債を組成した証券会社に限定されます。

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