安定価格の暗号資産/仮想通貨【テザー(Tether/USDT)】は安全?

安定価格の暗号資産/仮想通貨【テザー(Tether/USDT)】は安全?

暗号資産(仮想通貨)というと、ビットコインやイーサリアムなどのように価格変動が激しく、安定して価値を維持することが難しい通貨というイメージがあるかと思います。

しかし、暗号資産(仮想通貨)には、安定した価格評価を維持できるように設計されたペッグ通貨(ステーブルコイン)があります。

テザー(Tether/USDT)は、ペッグ通貨(ステーブルコイン)の代表的な通貨で、ペッグ通貨の市場独占率が約67%の人気の通貨です。

2021年3月24日には、暗号資産(仮想通貨)のテザー(Tether/USDT)の時価総額が、400億ドルを突破したことで話題となりました。

今回は、テザー(Tether/USDT)の仕組みや特徴、テザー疑惑などについて詳しく解説したいと思います。

テザー(Tether/USDT)とは?

テザー(Tether/USDT)とは、Tether Limited社によって発行される「USD(米ドル)」に連動したペッグ通貨(ステーブルコイン)で、多くの海外取引所で基軸通貨として利用されています。

ペッグ通貨とは、他の通貨の価値に連動させている通貨のことで、1ドル(USD)がほぼ1USDTになるように固定されています。(市場で大きな売買が行われると、ドルとの価格差が生じます)

「1USDT ≒ 1USD」

これは、発行したテザー(USDT)の量とTether Limited社が保有するドルの量を同じにすることで、価値を保っています。

テザー(USDT)は、2015年2月25日より運用を開始され、現在の時価総額は400億ドルを突破、過去12ヶ月間で10倍に成長しています。

時価総額ランキングでは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(EH)、バイナンスコイン(BNB)に次ぐ第4位と、注目度の高い暗号資産(仮想通貨)です。

米ドルに連動したペッグ通貨なので、ビットコインのような高騰は期待できませんが、常に価格が安定しやすく、暗号資産(仮想通貨)の取引に用いやすいため、多くの投資家から支持を集めています。

テザー(USDT)は、法定通貨にはない利便性や機能性を、ブロックチェーン技術を使うことによって実現することを目的としています。

Proof of Reserves(PoR)/プルーフ・オブ・リザーブ

USDTが、1USDT≒1USDに固定される仕組みは、Proof of Reserves/プルーフ・オブ・リザーブ(通貨を実際に保有しているという証明)です。

テザー(USDT)は、価格を固定するためにTether Limited社によって、強い中央集権体制で管理されています。

PoRは、ユーザーがTether Limited社にドルを入金すると、それと同量のUSDTをTether Limited社が新規発行するというシステムです。

また、Tether Limited社の口座から、テザー(USDT)が米ドルに換金されると、換金額と同量のテザー(USDT)が破棄されます。

このように、市場に出回るテザー(USDT)の量とTether Limited社がプールしている米ドルの量を等しく保つことで、テザー(USDT)と米ドルの価値を一定に保っています(ドル兌換制)。

ただし、実際にテザー(USDT)の取引をする場合には、取引所が保有するテザー(USDT)と他の通貨を交換するだけなので、ビットコインなど他の暗号資産(仮想通貨)の購入方法と同じです。

テザー(Tether/USDT)のメリットとリスク

メリット

  • 価値が安定している
  • 基軸通貨として導入されている
  • 資金の移動がスムーズ

価値が安定している

テザー(USDT)は、1ドル(USD)がほぼ1USDTになるように固定されてるため、他の暗号資産(仮想通貨)と比べると価値の変動が少ない通貨です。

そのため、暴騰・暴落の起きやすい不安定な相場では安心感があります。指標前などには、テザー(USDT)に両替して価格変動を避けるための避難先として利用できます。

基軸通貨として導入されている

海外の暗号資産(仮想通貨)取引所の多くは、テザー(USDT)を基軸通貨として導入しています。

テザー(USDT)は、米ドルとほぼ同じレートで取引できる暗号資産(仮想通貨)なので、他の暗号資産(仮想通貨)との取引もスムーズに行うことができます。

資金の移動がスムーズ

テザー(USDT)は、米ドルと違い、送金をする際に銀行を経由する必要はなく、高額の送金手数料を取られる心配もありません。そのため、取引所間での資金の移動をスムーズに行うことができます。これは、アービトラージにも便利です。

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強い中央集権体制によるカウンターパーティーリスク

テザー(USDT)は、価格を維持するために、Tether Limited社によって強い中央集権体制で管理されています。

そのため、カウンターパーティリスクが他の暗号資産(仮想通貨)よりも大きくなります。

カウンターパーティリスクとは、取引先が破綻してしまうリスクのことです。

万一、Tether Limited社による不正行為が発覚したり破綻した場合には、テザー(USDT)は価値を保つことができなくなり、無価値になる可能性があります。

テザー疑惑

テザー(USDT)は、米ドルと同じレートで取引できる暗号資産(仮想通貨)です。米ドルと違って、送金をするために銀行を経由する必要はありませんし、高額の送金手数料もかかりません。

そのため、価格変動が激しいビットコインよりも、使いやすいと言えます。

しかし、「USDTの価値を裏付けている米ドルを、Tether Limited社が保有していないのではないのか」という疑惑が浮上し、米国商品先物取引委員会(CFTC)から招集を受けました。

つまり、Tether Limited社は、市場に出たテザー(USDT)をすべて換金できるだけの米ドルを保有してない、という疑いです。

もしも、Tether Limited社が、流通しているテザー(USDT)と同額の米ドルを保有していない場合、お金を勝手に増やしていたことになり、流通しているテザー(USDT)の価値が大暴落する可能性があります。

テザー(Tether/USDT)と暗号資産(仮想通貨)の関係

なぜテザー(USDT)の価格が暴落すると、市場全体の価値が暴落するのでしょう?

多くの暗号資産(仮想通貨)トレーダーは、ビットコインやアルトコインの取引をする際に、テザー(USDT)を使用しています。

値上がりしそうな暗号資産(仮想通貨)を見つけたら、テザー(USDT)を売って暗号資産(仮想通貨)を購入し、値下がりしそうだったら利確をし、テザー(USDT)を買い戻します。

つまり、現在の暗号資産(仮想通貨)市場は、テザー(USDT)によって支えられている部分が大きいのです。

しかし、テザー(USDT)の価値が無価値だった場合には、市場を支える屋台骨を失うことになるので、大暴落するのではないのか、と言われています。

テザー疑惑の結果

2018年2月6日には、テザー疑惑が深まる中、暗号資産(仮想通貨)公聴会が開催されました。公聴会の前日には、ビットコイン価格が大暴落するなどのハプニングもありました。

そして公聴会は、テザー疑惑に関してハッキリしないまま終了しました。

テザーに対する疑惑はあくまで疑惑であり、確固たる証拠があるわけではありません。Tether Limited社が本当に法定通貨を時価総額分保有しているのであれば、特に問題視するようなことはありません。

しかし、暗号資産(仮想通貨)市場は感情に左右されやすく、テザー疑惑が発覚した段階で、ビットコインは大きく暴落し、一時は1ビットコイン(BTC)が60万円代まで下がりました。

同様に、イーサリアムやリップルなど、主要な暗号資産(仮想通貨)の価格も大きく暴落しています。

その後、市場は徐々に安定し、暗号資産(仮想通貨)公聴会から約1週間後の2018年2月14日には、1BTCあたり100万円代まで回復しました。

1BTC60万円代の時にビットコインを購入した人は、テザー疑惑があった数週間で、資産を大きく増しています。テザー疑惑の本当の恐ろしさは、根拠のない感情だけで価値が暴落したことかもしれません。

また、Tether Limited社は、この疑惑によって、ニューヨーク司法当局(NYAG)から起訴されました。最後まで不正は認めませんでしたが、2021年2月23日に1,850万ドルの罰金を支払うことで和解しました。

Tether Limited社への脅迫状

和解から約1ヶ月後に、今度はTether Limited社に500ビットコイン(BTC)の身代金を要求する脅迫状が届きました。

ビットコインは、アドレスと秘密鍵のみで取引できるので、匿名での恐喝も可能となってしまいます。
ただし、トランザクションデータ(取引情報)は、すべてブロックチェーン上に記録されています。

Tether Limited社は要求に応じず、捜査に全面的に協力する姿勢を示しました。

テザー(Tether/USDT)の購入方法

現在、テザー(USDT)を上場している国内の暗号資産(仮想通貨)取引所はありません。そのため、海外の暗号資産(仮想通貨)取引所を利用することになります。

テザー(USDT)を購入できるおすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所は、バイナンス(BAINANCE)です。

バイナンス(BINANCE)は、ユーザー数と月間取引高が世界トップクラスの暗号資産(仮想通貨)取引所で、テザー(USDT)の取扱い量はNo.1です。

1日2BTCまでの出金であれば、メールアドレスとパスワードを設定するだけで、簡単に口座を開設できるので、すぐに取引を始められます。身分証明書などの提出もありません。

バイナンス(BINANCE)でテザー(USDT)を購入する方法は、2つあります。

  • 国内取引所でビットコインを購入してバイナンス(BINANCE)に送金
  • クレジットカードでテザー(USDT)を購入

国内の取引所から送金する場合には、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を国内の取引所で購入します。この時、テザー(USDT)を購入するためのビットコイン+送金手数料分のビットコインも購入してください。

その後、ビットコインをバイナンス(BINANCE)に送金し、バイナンス(BINANCE)でビットコインをテザー(USDT)と交換します。

クレジットカードで購入する場合は、バイナンス(BINANCE)口座に直接テザー(USDT)を入金することが可能です。対応しているブランドは、VISAとMastercardです。

クレジットカードで入金・購入ができる暗号資産(仮想通貨)は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、バイナンスUSD(BUSD)、テザー(USDT)など、18通貨です。

テザー(USDT)はマイニングできないよ!

バイナンス公式サイト

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テザー(Tether/USDT)の保管方法

テザー(USDT)を頻繁に取引するのであれば、バイナンス(BINANCE)の口座に預けておくのが便利ですが、テザー(USDT)にかかわらず、取引所に預ける場合は、ハッキングなどのリスクがあります。

そのため、長期間保管するのであれば、ハードウェアウォレットLedger NanoS(レジャーナノS) がおすすめです。

ハードウェアウォレットは、セキュリティ面で非常に優れていて、暗号資産(仮想通貨)を管理する方法の中で、最も安全性が高いと言われています。

Leder NanoSは、1500種類以上の暗号資産(仮想通貨)に対応していて、全世界で、10万人以上が愛用している安心安全の管理デバイスです。

Ledger Nano公式サイト

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ただし、テザー(USDT)は、さまざまなブロックチェーン上で発行されているので、移動させる場合は同じネットワークで行っているか確認してください。

バイナンスでテザー(USDT)を出金する場合、バイナンスチェーン(BEP2)、バイナンススマートチェーン(BEP20)、イーサリウム(ERC20)、テザー(OMNI)、Tron(TRC20)の6つのネットワークが選択できます。

間違ったネットワークを選択してしまうと、資金を失う可能性があるのでご注意ください。
たとえば、Omni USDTは、ERC-20 USDTのアドレスに送金することはできません。

また、テザー(USDT)には、ウォレットの公式アプリもあります(Tether.freewallet.)。

テザー(Tether/USDT)の税金

暗号資産(仮想通貨)取引によって得た利益は、暗号資産(仮想通貨)の種類の違いや取引所の違いによらず、すべてが総合課税の対象となります。

テザー(USDT)は、米ドルとほぼ同じレートで取引できますが、暗号資産(仮想通貨)です。

そのため、他の暗号資産(仮想通貨)と同様に、利益は課税対象となります。

バイナンス(BINANCE)のステーブルコイン「BUSD」

テザー疑惑は、完全に晴れたわけではありません。それでも、多くの取引所の基軸通貨になっていることもあり、圧倒的なシェアを締めています。

信頼できるわけではないが、テザー(USDT)がないと不便だから利用しているという状況です。

そこで、バイナンス(BAINANCE)が透明性のあるステーブルコイン「BUSD」を発行して、テザー(USDT)からシェアを獲得しようとしています。

BUSD(バイナンスUSD)は、バイナンスが米国のPaxos Trust Co.(パクソス・トラスト・カンパニー)と提携して、2019年9月に発行したペッグ通貨(ステーブルコイン)です。

BUSDは、米連邦預金保険公社(FDIC)の認可を受けた銀行に預けられた米ドルに裏付けられ、毎月、監査を受けています。

透明性が高いこともあり、BUSDの人気が高まっています。

ただし、BUSDはバイナンスのみがメインで使うことができます。複数の取引所で取引をする人にとっては、やはりテザー(USDT)が必要になります。

BUSDは、ERC-20に加えて、バイナンススマートチェーンの規格であるBEP-2に対応しているので、他のステーブルコインよりも比較的安価で送金をすることができるので、今後の成長が期待されています。

この他にも、バイナンス(BINANCE)では、ビットコインにペッグされたBTCBを発行しています。

バイナンス公式サイト

テザー(Tether/USDT)まとめ

テザーは、法定通貨とほぼ同じレートで交換できるため、多くの取引所で基軸通貨として取り扱われています。

価格変動のリスクが低い、送金スピードが速い、コストも安いテザー(USDT)は、画期的な通貨で、圧倒的なシェアを誇っています。

しかし、テザー疑惑によって、中央集権体制で管理することの危険性が浮かび上がりました。

また、テザー疑惑も100%疑いが晴れたわけではなく、今後はBUSD、USDC、TUSDなどのステーブルコインがテザー(TUSD)を打ち破る可能性もあります。

いずれにしても、ペッグ通貨(ステーブルコイン)は、暗号資産(仮想通貨)取引に欠かせない存在であることは間違えありません。

ペッグ通貨(ステーブルコイン)をうまく活用して、スムーズな取引を行いましょう。

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