暗号資産(仮想通貨)取引をしていると、トークンという言葉を耳にすることがあるかと思います。
なんとなく暗号資産(仮想通貨)みたいなものだと認識している方もいるようですが、トークンについて詳しく知らない人も多いようです。
トークンとは、一体何なのでしょうか?
今回は、トークンの特徴やビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)との違い、購入方法などについて解説します。
トークンと暗号資産(仮想通貨)・コインの違い
暗号資産(仮想通貨)は、独自のブロックチェーン上で発行されているデジタル通貨です。それぞれが独自に持つブロックチェーン技術の信頼性において価値を高め、差別化されています。
代表的な暗号資産(仮想通貨)には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
トークンは、オリジナルではなく、既存のブロックチェーンを借りて発行している通貨です。たとえば、イーサリアムのブロックチェーンを利用すると、誰でもオリジナルのトークンを作成することが可能です。
暗号資産(仮想通貨):独自のブロックチェーン上で流通・発行
トークン:既存のブロックチェーン上で発行
トークンとは

トークン(Token)には、象徴や証拠、しるし、商品引換券、代用貨幣という意味があります。「何か別の価値を代替するもの」なので、ギフトカードやポイントカードなどもトークンに含まれます。
お金の代替と考えると、暗号資産(仮想通貨)もトークンの一種ですが、暗号資産(仮想通貨)の世界では、企業や個人が既存のブロックチェーン技術を利用して発行する独自コインのことをトークンといいます。
トークンを発行することによって、資金調達が容易になります。
ブロックチェーン:暗号資産(仮想通貨)などの取引履歴を暗号技術により1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術
トークンの特徴
トークンには、主に 3 つの特徴があります。
発行者・管理者がいる
トークンと暗号資産(仮想通貨)との大きな違いは、発行者や管理者がいることです。
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は、システムによって発行が決まり、中央で管理する人は存在しませんが、トークンは企業や団体・個人などが発行するので、発行者や管理者が存在しています。
ただし、発行者であっても、発行したトークンの量を変更することはできません。
企業も個人も誰でも発行できる
トークンは、基本的にはどのような企業や個人であっても発行することができます。
株式の場合は、上場する際には証券会社等仲介者の支援が必要ですが、トークンは、一般的に仲介者を挟まずに発行することが可能です。
そのため、株よりも比較的簡単に安価で、誰でもトークンを発行することができます。
独自の価値が付けられる
通貨としての価値に加え、付加的な価値を持つように設定されていることがあります。
たとえば、発行者が提供するサービスの対価として支払えるトークンや、議決権を得られるトークンなどがあります。
トークンの種類

トークンは、発行している企業やサービスごとにさまざまな特徴があります。
カレンシータイプ
カレンシータイプは、ビットコイン(BTC)のように通貨としての幅広い用途を想定されて発行されているトークンで、仮想通貨型とも呼ばれています。
たとえば、ビットコイン(BTC)であれば、円やドルなどの法定通貨と異なり、中央管理者を必要とせず、発行上限やマイニング報酬など、アルゴリズムによってコントロールされています。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などが、カレンシータイプの代表的な通貨です。
ユーティリティタイプ
ユーティリティタイプは、事業者側が提供する商品やサービスを利用するための対価として発行されます。プリペイドカードや利用券のように使えるため、プリペイド型とも呼ばれています。
よくICO(新規通貨公開)などで目にするかと思いますが、プロジェクトのサービスを利用するための対価として発行されるトークンです。
サービスがない時点では価値の裏付けをすることができず、適正価格を判断することが困難であるため、ユーティリティトークンの価値については、たびたび議論が起こっています。
代表的なユーティリティタイプのトークンは、0x(ZRX)やベーシックアテンション(BAT)などがあります。0x(ZRX)は、正確にはガバナンストークンですが、ユーティリティとしての機能もあります。
アセットタイプ
アセットは「経済的に価値のある資源、資産」を指す言葉で、実在する資産に連動するトークンです。Peg(ペグ)通貨とも呼ばれています。
大きな特徴は、発行者が存在し、その発行者が供給量を決定することができるということ、上限枚数を変更できるということです。
アセットタイプのトークンには、米ドルに連動したテザー(Tether/USDT)やベネズエラ政府が原油の価値を裏付ける目的で発行したペトロ(Petro/XPD)などがあります。
セキュリティトークン
セキュリティトークンとは、デジタル化した有価証券のことで、ブロックチェーンなどの技術を使って発行されるトークンです。デジタル証券とも呼ばれています。
セキュリティとは、有価証券のことで、財産的価値のある権利を示した証明書(株式、国債、社債など)です。
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)と異なり、セキュリティトークンは、金融商品取引法で規制され、企業などの中央管理者が発行しています。
トークンのメリット

トークンを保有することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
- 利益を得られる
- サービスとして利用できる
- 少額から投資可能
利益を得られる
暗号資産(仮想通貨)や株式などと同じように、購入時の価格から値上がりしたタイミングで売却すれば、差額を利益として得られます(キャピタルゲイン)。
安い価格で手に入れ、高い価格で売ることが基本となります。
また、付随する商品やサービスなどを受けられるトークンの場合には、保有しているだけで利益が得られるインカムゲインも狙うことができます。
トークンの中には、発行時から数百倍以上の価格になったものもあるので、大きな利益を得られるチャンスがあります。
サービスとして利用できる
ICOなどに参加してトークンを得た場合、発行元の企業や団体が提供するサービスなどに利用できることがあります。
利用方法はトークンによって異なりますが、ゲーム内で使えるトークン、音楽などのコンテンツサービスの利用、ほかの通貨と交換できるトークンなどがあります。
少額から投資可能
トークンは、価格が安いこともあり、比較的少ない金額から購入することができます(取引所によって最低購入額は異なります)。
少額の投資で大きな利益を得られるチャンスがあるので、初心者でも始めやすい投資だと思います。
※トークンは、日本円で購入できないことが多いので、取引所でビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を購入する必要があります。
トークンを購入する際の注意点

トークンは、価格が下がれば価値がゼロになることもあります。「儲かるらしい」など、目新しさや話題性だけで飛びついてしまうと、大きな損失になりかねません。
トークンを購入する際には、しっかりと調査をして、トークンの将来性を判断する必要があります。
- ホワイトペーパーを確認
- トークンが上場しているかを確認
ホワイトペーパーを確認
企業がトークンを発行しようとするときは、必ずホワイトペーパーというものがあります。
ホワイトペーパーには、トークンの企画や構想、どのような技術を採用しているのかなど、そのトークンに関する情報が記載されています。
ホワイトペーパーはWEBで公開されていて、誰でも閲覧することが可能です。投資家は、このホワイトペーパーを読んで、投資をするかどうかを判断します。
魅力的なホワイトペーパーであれば、発行前から注目され、トークン発行と同時に高値がつく可能性があります。逆に、ホワイトペーパーの魅力が低いと、注目されることなく消えてしまうトークンもあります。
ただし、ホワイ トペーパーに掲げたプロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが実際には提供されない事例もありますので、ホワイトペーパーの内容だけで判断しないようにしましょう。
トークンを購入する際には、このようなリスクがあることや、プロジェクト の内容などをしっかり理解し、自己責任で取引を行う必要があります。
上場しているかを確認
トークンを発行することで、誰でも簡単に資金を集めることができます。そのうえ、法整備が不十分なこともあって、詐欺などもあります。
トークンを購入する際は、トークンが「上場しているか」を確認することが重要です。取引所に上場されることで価格は上昇しますが、上場できるトークンは全体の約20%程度です。
ほとんどのトークンは、上場されずに消えて行ってしまいますので、少しでもリスクを抑えるためには、上場されているトークンを選ぶことをおすすめします。
トークンの購入方法

トークンを購入するためには、ICOに参加することが一般的ですが、誰でも参加できるからこそ、詐欺などのリスクも高くなるというデメリットがあります。
少しでもリスクを抑えるためにも、ICOに参加する際には、ホワイトペーパーをチェックするなど、事前の調査が重要になります。
暗号資産(仮想通貨)を購入する
トークンは基本的に、暗号資産(仮想通貨)で購入します。そのため、取引所などで事前に暗号資産(仮想通貨)を購入する必要があります。
購入は、取扱い通貨が豊富なバイナンス(BINANCE)がおすすめです。
多くのICOプロジェクトは、プラットフォームとしてイーサリアムを採用しているため、イーサリアム(ETH)を購入することが多いと思いますが、ビットコインなども採用されているので、参加したいICOプロジェクトの基軸通貨を確認しましょう。
ウォレットを作成する
基本的に取引所で購入した暗号資産(仮想通貨)は、そのままICOプロジェクトに送金することはできないので、専用のウォレットを準備する必要があります。
ウォレットは、トークンごとに対応しているウォレットが異なりますが、イーサリアムであれば、MyEtherWalleやMetaMaskなどのウォレットが利用されています。
自分の参加するICOで必要となるウォレットを調べて作成しておきましょう。
ICOに参加する
ICOに参加する際には、売り出されるトークンを取得するために、イーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を、指定アドレスに自分のウォレットから送金をします。
送金用のアドレスは、各ICOサイトなどから登録を行うと表示されるのが一般的です。
アドレスを間違えないように注意して、購入したいトークンの数量分の暗号資産(仮想通貨)を送金すると、ICOへの参加が完了します。
暗号資産(仮想通貨)を送金すると、トークンが自分のウォレットに送られてきます。価格が上昇するまでウォレットで保管したり、トークンの種類によっては、サービスに使用することができる場合もあります。
トークンの配布はプロジェクトによって異なるので、
いつ配布されるのか、事前に調べておきましょう。
詐欺に注意
ICOは誰でも簡単に資金を集められる上、法整備が不十分なこともあり、詐欺に利用されることもあります。
詐欺被害に遭わないためには、トークンに関する知識をしっかりと身に付け、発行する企業のホワイトペーパーなどを確認することが重要です。
「高配当・高利率」などの派手な謳い文句や誇大広告に惑わされないよう、ICOに関する不審な勧誘には十分注意してください。
トークンと暗号資産(仮想通貨)・コインの違い&購入方法【まとめ】
トークンは、ビットコインやイーサリアムなどの既存のブロックチェーンを利用して発行されています。
トークンは、比較的簡単に誰でも発行することができます。企業はトークンを発行して資金を調達することができ、買い手はトークンで利益を得られる可能性があります。
少額の投資で、大きな利益を得られるチャンスがありますが、実際には原価割れしているトークンも多く、リスクがあります。トークンに投資をするのであれば、ホワイトペーパーなどを事前にしっかりと確認して、慎重に選ぶことが重要です。
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