不動産売買の仲介をする不動産屋を開業する方法

売買仲介の魅力とは、何と言っても手数料が大きいことです。3,000万円の物件を仲介した場合には、100万円弱の手数料が入ります。月に1件契約できれば年間1,000万円以上の売り上げになります。

ただし、安定した収入が見込めるわけではありませんので、人脈や豊富なアイデア、お客様に根気よくアピールすることが大切です。

自宅を事務所として開業できる?

開業する際には、経費などを抑えるためにも、自宅を事務所として開業したいという人も多いと思います。

インターネットを中心に販売するのであれば、経費を広告費に多く使うことができますし、契約は事務所でする必要はありませんので、お客様の希望の場所で契約すれば、事務所に来店していただくこともありません。

実際に、自宅での開業は認められています。ただし、住居部分と事務所の出入り口は別でなければなりません。

一戸建ての場合は、玄関以外に出入り口を設けることは可能ですが、マンションの場合は、基本的に出入り口が1つなので、自宅での開業は難しくなります。

開業時に用意するもの

開業する際に必ず必要なものと、あったほうがいいものをご紹介します。

①電話

電話は、固定電話と携帯電話を用意しましょう。固定電話は、電話帳やホームページなどの広告掲載時に必要になります。

不動産屋は外出する機会も多いので、携帯電話も必ず準備しておきましょう。

②コピー機・FAX

お客様に物件の図面をコピーして渡す場合や、契約書を複数枚作成する場合、他の不動産屋から物件の紹介を受ける場合など、不動産屋にとっては必須アイテムとなります。

③パソコン

ホームページの開設やお客様とのメールでのやり取り、図面や契約書の作成など、パソコンはなくてはならない存在です。

中古品よりも新品の方が良いですが、高性能を追い求めすぎると高額になってしまいます。最低限、ワード・エクセル・ホームページの作成・画像保存できる程度の性能があるものを選びましょう。

④デジタルカメラ

不動産を購入する場合には、必ず現地を見てから契約をします。お客様は物件を見に行く前に、写真を見てある程度判断をします。そのため、物件の写真は重要になります。

不動産屋の視点で言うと、興味を持っていない物件に案内していは、時間の無駄になってしまいますので、まずは写真で物件を判断してもらいましょう。

⑤事務所

自宅でも開業することは可能ですが、不動産屋は無店舗営業が認められていませんので、必ず事務所は必要になります。

⑥営業車

営業車が無ければ、お客様を物件に案内することができませんので、営業車は必ず必要となります。自家用車がある場合には、自家用車を営業車として利用することも可能です。

営業車をこれから買うのであれば、4ドアセダンタイプがオススメです。物件によっては、細い道路を通らなければならない場所もあるので、車幅はあまり大きくないほうがいいと思います。

⑦印鑑

最近は、脱・印鑑ともいわれていますが、会社の印鑑は、会社設立の段階で必要になります。開業後も、契約書の作成など、さまざまな状況で使用します。

⑧名刺

他の不動産屋へのあいさつ回りの際や、お客様に対しては名刺を必ずお渡しします。そのため、開業当初からかなりの枚数を要します。

自分で名刺を作れる名刺作成ソフトなどを利用すると、コストを抑えることができます。

⑨地図

物件をチェックするときや、駅からの距離を測るために使用します。地図はゼンリンが発行している住宅地図を使用している不動産屋がほとんどです。

1万円以上する高価な地図ですが、やはりあると便利です。

売買仲介業で成功するためのポイント

売買仲介業で成功するために必要なことは、売り上げを伸ばすための努力と、トラブルを未然に防ぐことです。ポイントは、開業する場所、継続力、相談できる先輩業者です。

開業場所は、不動産の動きが大きい地域のほうがいいのですが、賃貸の人気エリアと売買の人気エリアは異なります。

賃貸では、多少狭くても便利な都会が人気ですが、売買物件となると、都心から離れても広めの物件が好まれる傾向があります。

開業する場所を決める際には、事前に十分なリサーチを行うことが大切です。まずは、インターネットなどで公開されている情報を、しっかりと読み込みましょう。

そして、2つ目のポイントは、チラシ配りなど、継続した売買情報の探索活動です。売買情報が掲載されたチラシを、新聞や郵便受けで見かけることがあると思います。

このような作業を継続することが、契約につながる第一歩なのです。

そして、不動産売買に関して情報交換したり相談できる仲間がいると、仕事をスムーズに進めることができます。

ホームページを作成する

現在、多くの不動産屋が自社のホームページを作成しています。物件を探す人も、インターネットを利用する人が多くなっているからです。

ホームページの作成には、制作会社に依頼することもできますが、自分で作成することをオススメします。

はじめは、いいデザインのものができなかったり、時間もかかりますが、1度覚えてしまえば簡単に更新することもできますし、デザインの変更を思いついたら、すぐに反映することができ、制作費用を抑えることができます。

自分でホームページを作成するメリット・デメリット

メリット

  • 経費がおさえられる
  • デザインやアイデアをすぐに反映できる

デメリット

  • 1から作成すると時間がかかる
  • 知識の習得に時間がかかる

はじめは購入者を探す

はじめは、不動産を購入してくれるお客様を探します。客付けをして、元付業者の仕事を実際に見学しながら学ぶという考え方です。

では、どうやって物件情報を仕入れたらいいのでしょうか。

まずは、広告やレインズなどを利用して、近隣の物件で売れそうなものを探します。物件が見つかったら、その物件を取り扱っている不動産屋に広告掲載の許可をもらいます。

許可もなく勝手に広告に載せたりすると、その地域で不動産屋として継続することが難しくなってしまいますので、必ず許可を取ってください。

許可をもらったら必ず現地を見に行き、写真も撮ってきましょう。

売物件が決まったらチラシを作成しますが、実際には、他社のチラシを参考に作成することが多いです。

物件を取り扱っている不動産屋に、チラシに載せることを承諾してもらったら、広告図面を自社の名前をつけて広告しても良いかも確認します。

許可を得られれば、その不動産屋のチラシを自社の名前に変更して使用することができます。

ただし、他社の広告を自社の広告として使用する場合、万が一、広告内容に違法な点があれば、自社の責任になります。そのため、内容に違法性がないかを必ず確認する必要があります。

また、広告には、嘘や紛らわしい表現を用いてはならないことや、必ず載せなければならない事項など、厳しい規制がありますので、自社で広告を作成する際には、細心の注意を払う必要があります。

広告作成の共通事項として、取引態様(売主・媒介・代理)の明示義務があります。開業当初は、不動産広告業者の担当者と、相談しながら作成することをオススメします。

売り上げを伸ばす方法

購入者を探す方法をご紹介しましたが、売り上げを伸ばすためには、実は不動産を売ってくれるお客様を探したほうが効率が良いのです。

元付業者になると、あとは他の不動産屋が、その物件を気に入ったお客様を案内して契約に結びつけてくれます。そうなると、自ら購入者を探さなくても、他の不動産屋が探した購入者と契約して報酬を得ることができます。

はじめは物件の購入者を探すことが大切ですが、販売する物件の情報だけでなく、売却依頼情報を求めることも重要であることを覚えておいて下さい。

売却物件を募集する方法

不動産屋のチラシを見ていると、表面に売り物件情報を掲載し、裏面に売却依頼を募る広告が多く見られます。売却依頼が多くなるほど、業績を上げることができます。

ただ、売却依頼のチラシを見て、その不動産屋に依頼することは多くありません。そのため、無料査定を行うなど、お客様にとってのメリットを提示します。

また、「○○地区の戸建て物件を探しています」など、具体的な的を絞って、該当地区のみにチラシを配布するという方法も効果的です。

無料査定の方法

基本的な査定方法は、物件情報を正確に把握しないと行うことができませんので、近隣の制約情報から相場を出します。

査定方法は、原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つがありますが、近隣相場から当該物件の価格を割り出す取引事例比較法が主に使われています。

宅地建物取引士が登録する際に受ける実務講習のテキストにも紹介されていますし、不動産流通推進センターでは、物件の査定マニュアルを作成しています。

不動産流通推進センターhttps://www.retpc.jp/

売買の依頼を受けた場合には、媒介契約を結びます。売却価格が、相場と依頼者の要望との間に開きがあり、価格に関して意見を言う際には、その根拠を述べることが義務付けられています。

チラシを配布する

チラシの配布は基本的に、売却物件の周辺を中心に行います。特に、隣の敷地は多少高くても購入してもらえるケースがありますので、売却依頼を受けた際には、広告を出す前に声をかけてみましょう。

ポスティングの他にも、新聞の折り込みとして配布することもできます。1度配布しても、1件の問い合わせもないことがありますが、地道に継続することが大切です。

物件の調査方法

不動産の売却依頼を受けたら、物件調査を行います。

権利関係の確認

不動産物件において、最も大切なのが権利関係です。売却の相談をされたけれど、調べてみたら所有者からの依頼ではなかった、なんてこともあります。

まずは、法務局で登記事項証明書を取得し、甲区欄(所有権)から所有者が依頼主であるかを確認します。

乙区欄(所有権以外の権利)からは、抵当権・地上権・地役権などの売買に関し、不利となる情報がないかを確認します。抵当権が付いていることはよくありますが、抵当権が3番4番と多く、消費者金融などの抵当権が付いている場合には要注意です。

借金をしている人の中には、嘘をつく人もいます。判断に迷ったときには、取引しないという選択も必要です。差し押さえや仮登記などがある場合は論外です。

登記簿以外に、公図・測量図なども確認しておきましょう。

依頼者には、権利証や売却時の書類、固定資産税の納税通知書を見せてもらい、登記と違いがないかを確認します。

権利証がなくても売買することは可能ですが、二重売買や所有者でないケースもありますので、慎重に聞き取りを行って下さい。

マンションの売買などは、敷地権の種類に注意します。マンションを購入した場合、建物は所有権であっても、土地は借地のケースがあります。

敷地が地上権や借地権である場合には、マンションの価格が下がりますので、価格査定に大きく影響します。

物件の確認

物件の確認は、依頼者立会いのもとで進めます。

建物の場合は、物件の説明をしてもらいながら、内部の調査を行います。戸建てやマンションなどは、各部屋を案内してもらいながら、間取り図を作成します。

家具などがある場合には、写真は極力控えます。外観は写真を撮って、販売広告に載せる承諾をもらいます。

前面道路の幅や上下水道の整備状況、ガスの種類、電気の容量、排水の仕組みなどを確認します。

物件確認の注意点

土地:売買面積は公募面積か実測面積か確認、私道負担の有無(有なら位置と面積と費用の有無)、セットバックの有無(有ならどのくらい下がるのか確認)

建物:各界の床面積と延床面積・築年数・エアコンなどの付帯設備、占有する賃借人などの存在の有無

マンション:床面積は内法面積でよいか、管理会社の名前と住所、修繕積立金と管理費、滞納の有無、修繕の状況、管理規約集などの確認

その他:駅までの所要時間、小中学校の学区、買い物施設など。

これらは、役所などでの確認が必要ですが、先に依頼者に聞いておくと、調査もスムーズになります。

また、建物・土地に関する瑕疵、土地の埋設物、土地の汚染状況、建物の雨漏りやシロアリ被害など、後々トラブルになる可能性があるものや、所有者しか知らない情報なども確認しましょう。

そして、売買を希望するのには、何か理由があります。話したがらない人もいますが、差し押さえ直前だったケースもあります。トラブルに巻き込まれないためにも、しっかりと聞き取りしましょう。

役所での物件調査

物件の調査が終了したら、役所で物件の調査を行います。役所にはさまざまな担当部署がありますので、物件に関係する部署を、一つひとつ回って確認します。

調査票を作成しておいて、依頼があった際に、その調査票に合わせて確認すると漏れがなくなります。

役所での確認を怠ると、トラブルの元になります。不動産トラブルの多くは、ずさんな調査が原因であることが多いです。十分に注意して調査を行うように心がけて下さい。

諸費用の目安

契約時にどれくらい諸費用がかかるのか、お客様に聞かれることがよくあります。売買の場合、事前に細かく正確な金額を出すのは難しいのですが、お客様には、概算で売買代金の8~10%くらいとお伝えします。

実際に、売買仲介の際には、どのような諸費用がかかってくるのでしょうか。

  • 仲介手数料:不動産屋に支払う手数料は、基本的に物件価格の3%+6万円+消費税。
  • 建物代金消費税:建物代金には消費税がかかります。土地には消費税がかかりません。
  • 固定資産税の精算:所有した日からの固定資産税の負担割合分を、元の所有者に支払います。
  • 登記費用:所有権移転登記、抵当権設定および抹消のための登録免許税と、司法書士への報酬手数料の支払い。
  • 不動産取得税:契約後に支払います。
  • ローン手数料:ローンを組むと、事務手数料や印紙税、保証料などが必要になります。

他にも、土地の売買では、配管などの埋設物があることが判明していれば、埋設物撤去費用や、測量が必要になるケース、境界線上に隣の家と折半で塀をつくるなど、思わぬ費用が発生することもありますので、事前調査をしっかりと行います。

マンションの場合には、前の入居者が修繕積立金や管理費などの滞納がないかを確認します。

重要事項説明と契約書の作成・交付

不動産取引で最も重要なのが、重要事項の説明と契約書の交付です。

不動産取引は、高額な値段で取引が行われるため、慎重さが要求されます。そのため、重要事項説明書を用いて、物件の詳細を説明することが必要となります。

重要事項説明は、お客様に対して法定された内容を、契約する前に説明して、購入の意思を確認するための制度です。

この、重要事項の説明は、宅地建物取引士のみが行うことができます。そして、契約の意思が確認出来たら、契約内容を再確認して、契約書を作成します。

物件の価格は、広告よりも値引いて契約に至ることが多く、物件の引き渡し日や所有権移転登記の時期など、契約の交渉をしてはじめて決定することも多いので、契約書面の交付は、契約終了後にその内容を記載して交付されます。

この契約書の交付は、契約の内容に関するものなので、売主・買主の双方に渡します。

契約の流れ

見学

購入意思決定

媒介依頼

重要事項説明

契約交渉

買付証明

手付の交付

契約

決済

引き渡し

登記の移転

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