投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金として、投資のプロが株式や債券などに投資・運用する商品で、投資家は投資額に応じて配当金を受け取ることができます。
投資信託は、どこの何でどのように運用するのかで、インデックスファンドとアクティブファンドに分けることができます。
今回は、この2つの違いについて、わかりやすく解説したいと思います。
インデックスファンド

インデックスファンドは、値動きがインデックス(指数)と連動することを目指します。
たとえば、日本の株式市場の代表的なインデックスの1つである、TOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドは、TOPIXが1%値上がりすると、ファンドも1%値上がりし、TOPIXが1%値下がりするとファンドも1%値下がりするといった運用を行います。
TOPIXに連動するインデックスファンドは、複数の運用会社が設定しています。
すべてがTOPIXと同じ値動きをするので、ファンドによる運用成績にほとんど差はなく、どこのファンドを選んでも、大きく失敗することはありません。
この他にも、日経平均株価や世界の株、新興国の株、世界の債券、新興国の債券などの指数があり、それに連動するインデックスがあります。
いずれも、同じ指数に連動するインデックスファンドなら、運用成績に大きな差はありません。
インデックスファンドの選び方
インデックスファンドは、同じ指数に連動するものなら運用成績に差はないので、コストを比較して選びましょう。
つみたてNISAは、販売手数料無料で、信託報酬が一定以下のファンドものを対象にしているので、つみたてNISAで買えるインデックスファンドがおすすめです。

資産の種類ごとに指数があるから、いろいろなインデックスがあるよ。
| 資産の種類 | 指数 | 対象 |
| 日本株 | TOPIX | 東証一部に上場している全銘柄 |
| 日経平均株価 | 東証一部に上場している銘柄のうち、代表的な225銘柄 | |
| 先進国株 | MSCIコクサイインデックス | 日本を除く先進24ヵ国 |
| 米国株 | S&P500 | 米国の主要な500社 |
| 新興国株 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス | 中国、韓国、台湾など24の新興国の株 |
| 日本の債券 | NOMURA-BPI総合 | 日本の国債、地方債、社債など |
| 先進国の債券 | シティグループ世界国債インデックス | 日本を除く先進22ヵ国 |
| 日本の不動産 | 東証REIT指数 | 東証に上場している全REIT |
| 世界の不動産 | S&PグローバルREITインデックス | 日本を除く先進国と新興国のREIT |
バランスファンド

バランスファンドは、ファンドの資産を株と債券の両方で運用するような、資産組み合わせ型のファンドです。1つのファンドで、異なる投資対象に投資できるので、自分で複数ファンドを組み合わせる必要がありません。
アクティブファンド

アクティブファンドは、ベンチマークとする指数を上回る運用成績を目指します。
たとえば、日本株のアクティブファンドであれば、TOPIXを上回るリターンが得られるように運用します。 そのためには、ファンドマネージャーが投資する株を厳選し、経済の動向に合わせて適切な判断をします。
そのため、アクティブファンドの運用成績は、ファンドマネージャーの腕次第となりますので、ファンドによる運用成績にも大きな差があります。
今まで成績の良かったファンドが、この先も良い成績をあげ続けるという保証はありません。
アクティブファンドは、インデックスファンドを上回ることを目指していますが、実際には、インデックスファンドを下回るものもあります。
アクティブファンドの選び方
日本には、アクティブファンドが4,000以上ありますが、つみたてNISAの対象になっているのは、わずか17です。これは、つみたてNISAの条件が厳しいからです。
長期的に資産を増やすために、アクティブファンドを利用するなら、つみたてNISAの対象となっているものが安心です。
アクティブファンドのつみたてNISAの条件
- 設定以来5年以上経過(新しいファンドは運用の良し悪しが判断できないため)
- 2/3以上の機関において資金流入超(一定以下になると運用に支障をきたすため)
- 純資産総額が50億円以上(一定以下になると運用に支障をきたすため)
アクティブファンドは、信託報酬が安ければいい、というわけではありません。信託報酬が高くても、それに見合う運用がなされていればいいのです。
ただ、新しく設定されたファンドは避けたほうがいいです。運用の良し悪しを判断するには、最低でも3年は必要です。
設定されてから、数年経過しているものは、一定の運用実績を積み重ねているファンドと考えられます。設定されて10年を1つの目安と考えて下さい。
また、多くのファンドは運用期間は無期限ですが、中には期限が決まっているものもありますので、必ず確認しましょう。そして、純資産総額が少ないと、十分な運用ができず、繰上償還される可能性があります。
つみたてNISAの条件と同様、50億円以上が目安です。純資産総額は、徐々に増えているのが理想で、減ってきている場合は、運用が上手くいかず、解約が増えている可能性があります。
運用成果を見る指標
アクティブファンドの運用成果を見る指標の1つに、基準価額の値上がり率を表す騰落率(とうらくりつ)があります。
これが高ければ、ファンドが値上がりしていることを意味しますが、騰落率は、投資先・投資対象が同じファンド同士で比較します。
日本株ファンドは、TOPIXをベンチマークにしていることが多いので、基準価額とTOPIXの比較グラフをチェックします。
アクティブファンドは、指数を上回る運用を目的としているので、長期に指数を下回っているファンドは避けましょう。
アクティブファンドは、チェックすべき項目がいくつかありますが、ネットの投資信託評価サイトで簡単に確認することができます。
投資信託購入後

投資信託を購入後は、値動きが気になると思いますが、結果はすぐに出ません。一喜一憂しないで、ゆったりと構えていましょう。
基本は長期保有ですが、お金が必要な時にはいつでも解約することができます。
運用は目的ではなく、お金を増やすための手段です。運用して増やした資産は、必要なときに自由に使いましょう。

