投資信託の選び方

資産を長期間で効率よく運用するためには、投資信託がおすすめです。

しかし、国内の株式や債券以外にも海外の株式や債券などで運用するなど、投資信託にはさまざまな種類があるので「どれを選んだらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

人によって必要な金額やリスク許容度も異なりますが、投資信託を選ぶ際の基本的なポイントをご紹介しますので、あなたに合った投資信託を探してみてください。

投資信託の選び方

投資信託を選ぶ際の、ポイントをご紹介します。

<チェックポイント>
・運用成績
・コスト(販売手数料と信託報酬)
・純資産総額

運用成績

投資信託の運用成績を見るときには、過去3年~5年の運用状況を確認してください。短い期間で比較すると、「たまたま、その時が良かっただけ」ということがあります。

また、運用成績を見るときは収益率のほかに、ベンチマーク(運用成績を比較する基準となる指数)や似ている投資信託もチェックします。

たとえば、日本株に投資するアクティブファンドであれば、TOPIX(東証株価指数)を基準とするものが多いです。この場合、TOPIXを上回る成績かどうかを判断します。

しかし、結果が良すぎる投資信託は、その分リスクを大きくとって運用している可能性があります。投資信託の値動きの大きさは「標準偏差」でチェックできます。

数値の大きい投資信託ほど、値動きが大きい投資信託であるといえます。基準価額の動きが大きい投資信託は、長期的に安定した高い収益が出せない可能性が高いと判断されます。

コスト(販売手数料と信託報酬)

投資信託は、「販売手数料」、「信託報酬」、「信託財産留保額」、「有価証券売買手数料」などの費用がかかりますが、その中でも「販売手数料」と「信託報酬」は投資信託の2大コストといわれています。

販売手数料

投資信託を購入する際には、購入手数料が必要になります。購入手数料は、対面型の銀行や証券会社よりもネット証券の方が安い傾向にあります。

購入手数料の上限は、それぞれのファンドの目論見書で定められていますが、上限を超えなければ、銀行や証券会社などの販売会社が決めることができます。

購入手数料が無料だったとしても、解約時に高い手数料がかかってしまうこともありますので、購入前に、購入から売却までにかかる費用を比較しましょう。

販売手数料は、一般的に基準価額の0%~5%程度です。

信託報酬

信託報酬は、運用対価や資産管理の対価として、投資信託を持っている期間に必要な手数料です。保有期間が長くなるほど、手数料の負担が大きくなります。

投資信託の費用は、債券型より株式型が高く、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動する「インデックスファンド」より、ファンドマネージャーが個別銘柄を選ぶ「アクティブファンド」の方が高い傾向にあります(年0%~2.5%)。

そのため、同じタイプの投資信託との比較が重要です。

たとえば、運用利回り3.0%(年率)の場合、信託報酬0.5%(年間)と信託報酬1.5%(年間)で比較すると、信託報酬0.5%では想定利回りは2.5%ですが、信託報酬1.5%だと想定利回りが1.5%になります。

20年間運用すると考えると、わずか1%が大きな差となります。

ただし、アクティブファンドの場合は「運用コストが安い=リターンが大きい」とは限りません。コストに見合った運用成果が出ているのかどうかを、しっかりとチェックしましょう。

コスト0%の投資信託

投資信託の低コスト化が進んでいますが、2020年3月16日に、日本ではじめて購入手数料0%、信託報酬0%の、世界株式のインデックスファンド「野村スリーゼロ先進国株式投信」が販売されました。

ただし、信託報酬がかからないのは10年間で、2031年1月1日以降の信託報酬は0.11%(税込)以内で設定される予定です。

このファンドは、野村証券のインターネットでのみ購入可能で、つみたてNISA専用という条件があります。今後も、購入時手数料や信託報酬がかからないファンドが増えるかもしれません。

初心者は、購入手数料のみを意識して商品を選びがちです。購入手数料がかからなくても、信託報酬が割高なものもあります。どの費用が高く設定されているのかは、投資信託ごとに異なりますので、総合的に判断しましょう。

ちなみに、「ファンド、リターン、純資産総額」などをさまざまな観点から見た上位10ファンドを比較すると、信託報酬は、やや高めです。

純資産総額

純資産総額は、投資している資産価値の合計額を示しています。投資家から集められたお金や、その投資信託が運用する株や債券などの資産が含まれます。

投資信託を安定的に運用していくためには、ある程度の規模が必要です。規模が小さいと、多くの銘柄に資金を振り分けることができなかったり、資金の出入りの影響も大きく受けるため、効率的な運用ができないこともあります。

あまりに純資産総額が小さすぎると、ファンドを継続して運用することが困難になり、途中で運用をやめる「繰り上げ償還」が行われる可能性もあります。

一般的には、純資産総額が30億円以上あるのが理想的で、10億円を下回ると、運用が終了してしまう可能性があると言われています。

ただし、新興企業の株式で運用するファンドなどでは、純資産総額が大きすぎると、機動的な運用の足かせになることもあります。

また、「ファンド・オブ・ファンズ」や「ファミリーファンド」などで、ほかのファンドに投資している場合は、自分が投資するファンドの純資産総額が小さくても、投資先のファンドやファミリーファンド全体で見ると、しっかり分散されているケースもあります。

純資産総額は、運用会社のホームページなどで確認できるよ

投資スタイルで選ぶ

投資スタイルには、できるだけリスクを抑えた「安定運用型」と積極的にリターンを求める「積極運用型」があります。

「安定運用型」は、リスクの大きい株式とリスクの小さい債券を一緒に運用するバランス型の投資信託がおすすめです。
「積極運用型」は、リスクとリターンが大きくなるアクティブファンドがおすすめです。

ファンドの種類

外国株を運用する外国株式型や、日本株を運用する国内株式型、不動産を運用するリート型の投資信託などがあります。

一般的に、株はリスク・リターンが大きく、債券はリスク・リターンが小さい傾向にあります。

少しでもリスクを抑えたいという方は、リスクとリターンが小さい「国内債券型・外国債券型」の投資信託を一緒に持つことでリスクを最小限に抑えることができますが、期待されるリターンも小さくなります。

国内債券>外国債券>国内リート>海外リート>国内株式>外国株式
※右にいくほど、想定されるリスクとリターンが大きくなります。

また、最も一般的な投資比率は、株と債券の投資比率を50%ずつです。

リスクをとりたい人は、株式と債券のの投資比率を6:4、リスクは抑えたい人は、株式と債券の投資比率を4:6にするなど、リスクを調整してください。

株式の選び方

株式は大きくわけると「国内株式」と「外国株式」があり、外国株式には「先進国株式」と「新興国株式」があります。

先進国株式は、米国や欧州などの経済が発展した国の株式のことです。現在、発展途上にあり、高い成長が見込めるアジアやアフリカなどの国や地域の株式は、新興国株式と言います。

一般的に、新興国株式は先進国株式よりも期待できるリターンが高い分、リスクも大きくなります。

新興国の上場企業は先進国より規模が小さいですが、成長力の大きさを期待した先進国の投資マネーが大量に流入することもあり、通貨や株価の変動が激しい傾向があります。

外国株式に投資をする場合は、大きなリターンを狙うなら新興国株式の配分を増やし、リスクを抑えるなら先進国株式を増やすなど、リスクに応じて、先進国株式と新興国株式の比率を調整していくことが重要です。

債権の選び方

投資信託の外国債券も「先進国債券」と「新興国債券」があります。債券は、株式よりも値動きは小さくなりますが、自国通貨や米ドルなどの発行された債券の通貨の値動きに価額が左右されます。

株式と同様、新興国債券のほうが先進国債券よりも値動きが大きく、リスクが大きくなります。しかし、新興国債券は先進国債券の利回りと比べて、きわめて高く、長期金利(10年物国債の利回り)は10%を超える債権もあります。

また、債権はS&Pグローバル・レーティング、ムーディーズ・インベスターズ・サービスなど、格付け専門の会社によって「格付け」されています。

基本的に、元本の償還や利息の支払いが不確実なほど格付けは低く、利回りは高くなります。
BBやBaなど、格付会社ごとに定められた記号や数字などによって債券の信用力が示されていて、投資信託の月報などで確認することができます。

外国債券で大きなリターンを狙いたい場合は、新興国債券や、投資適格未満の格付けの債券を選び、リスクをとりたくない場合は、先進国の格付けの高い債券中心の運用がおすすめです。

 外国債券は「通貨」「利回り」「格付け」のバランスを考慮して選択しましょう。

バランス型

どれを選んだらいいのかわからないという場合には、株式や債券などを組み合わせて運用する「バランス型(資産複合型)」がおすすめです。

あらかじめ決まった配分に沿って運用したり、機動的に配分を見直したり、ファンドによってさまざまなスタイルがあります。

複数を組み合わせて投資することでリスクが分散され、安定したリターンが期待でき、長期で投資しやすいというメリットがあります。

また、1つの資産の価値が大きく変動した場合でも、運用会社が「リバランス」とよばれる資産配分の調整をして、投資比率を一定に保つことができるので、個人でポートフォリオのメンテナンスをする必要もありません。

一般的に、株式の比率が高いほどリスクもリターンも高くなります。そして、分散先が多いほど、リスクは軽減される傾向があります。

おすすめの投資信託

インデックス運用のファンドは、株価指数など、市場の平均的な値動きに連動する投資成果を目指します。アクティブ運用のファンドは、指数を上回るリターンを目標とするのが一般的です。

安定運用型

安定運用型のおすすめは、業界最安水準の手数料を目指すインデックスファンド「eMAXIS Slimシリーズ」です。

国内債券インデックスや先進国債券インデックスは、信託報酬が0.13%、0.15%と業界最安水準に設定されています。

手数料をおさえるために、販売にかかる人件費が少ないネット証券を中心に販売されています。

国内株式型:eMAXIS Slime国内株式(TOPIX)
外国株式型:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
国内債券型:eMAXIS Slim国内債券インデックス
外国債券型:eMAXIS Slim先進国債券インデックス

積極運用型

企業価値の分析などを重ね、市場平均以上の運用成績を目指すアクティブファンドは、銘柄選びに成功すれば、指数を上回るリターンが期待できます。ただし、投資先を間違うと、指数に見劣りする運用成果しか得られない可能性もあります。

信託報酬は、年0.5%~2.5%程度です。

優秀なアクティブファンドを探すには、運用会社のホームページなどで公表されている「月次レポート」などで過去の運用成績を確認できます。
継続的に指数を上回るリターンを上げられているかどうかを確認しましょう。

私が注目しているアクティブファンドは、「Jリートアクティブファンド(1年決算型)」です。新型コロナウイルスの影響で2020年3月には大きく下落しましたが、現在は徐々に回復してきています。

購入手数料:0%(ノーロード)
信託報酬率:純資産総額に対して 0.77%
信託財産留保額:申込受付日の基準価額に0.3%を乗じた額

おすすめの証券会社「マネックス証券」

マネックス証券と言えば、取扱銘柄数が多く、なかでも米国株や中国株が充実していることで人気ですが、投資信託もおすすめです。

取り扱いのあるすべての投資信託は、手数料が0円で購入することができ、100円以上1円単位で購入金額を決められるので、まとまったお金が無くても、少額から始められます。積み立て頻度は「毎日」と「毎月」から選べます。

また、投資信託の保有に応じて、お得なマネックスポイントが貯まります。貯めたポイントは「Amazonギフト券」や「マイル」などと交換できます。

もちろん、投資情報が充実していることも嬉しいポイントです。

専門家によるオリジナルレポートやマネックス証券が独自に開発したマーケット情報、保有資産を分析して運用をアドバイスする「MONEX VISION β」も無料で利用可能です。

マネックス証券公式サイト

積立投資でリスクを軽減

投資信託の購入方法は、毎月一定金額を買い付ける「積立投資」と、まとまったお金で一気に買う「一括投資」がありますが、買うタイミングは重要なポイントになります。

いくら運用実績の良いファンドでも、基準価額が高いときに購入すれば、高いリターンは見込めませんし、株価や債券価格が割安なときに買えば、高いリターンが期待できます。

しかし、高いか安いかの判断は、プロでも簡単ではありません。相場が割安だと思って投資信託を買ったとしても、実はその価格がピークに近かった、ということもあります。このようなリスクを軽減するためにも、積立投資がおすすめです。

月5万円ずつであれば、5万円の範囲内で買える分だけファンドを購入します。

価格が高いときには買う量を減らし、安いときにたくさん買うことで、平均の購入単価を下げられる効果があります。安ければその分たくさん買えるので、大きく値下がりしても、心理的な不安は小さくなります。

投資信託の基本は長期保有

投資信託は、長期間保有することによって、さまざまなメリットがあります。

<長期保有のメリット>
 ・複利効果が期待できる
 ・値動きの幅(リスク)が小さくなる
 ・コストの負担が軽くなる

長期保有によって複利複利効果が期待できる
長期で運用する最大のメリットは、複利の力を最大限に発揮できることです。長期間、投資を続けることによって、利子や分配金などを再投資することができ、利子や分配金にも利息がもらえます。

値動きの幅(リスク)が小さくなる
投資信託を5年、10年と長く持ち続けると、値動きの幅が小さくなるので、安定した運用が可能になります。長期的に保有したほうが、リスクの管理が行いやすいと言えます。

コストの負担が軽くなる
長期的に投資信託を保有することによって、購入時や解約時に必要な手数料の負担を軽減する効果があります。

たとえば、投資信託の購入手数料が3%だった場合、運用期間が1年だと、収益に与える影響はマイナス3%ですが、運用期間3年で手数料を平均すると1%になります。このように、長期で保有すればマイナスの影響は縮小します。

投資信託の運用状況の確認方法

投資信託購入後は、完全にプロにお任せしている方が多いように思いますが、定期的に運用状況などを確認するようにしましょう。もし、同じようなタイプの投資信託と比較して劣っているようであれば、解約することも検討する必要があります。

運用状況は、運用報告書やレポートなどで確認することができます。

運用報告書は、決済日ごとに作成されます。運用経過の報告や、どんな銘柄で運用したか、今後どんな見通しをもっているかなど、重要な情報が書かれています。

もっと短い期間で運用状況をチェックしたい場合は、運用会社の週報や月報を参考にしてください。

また、基準価額が大幅(5%前後)に変動したときには、運用会社のホームページに、臨時レポートが出ます。臨時レポートには、大幅に変動した理由、今後の見通しなどが記載されています。

急な下落が合った場合でも、焦って解約をする前に、臨時レポートなどを読んで、冷静に対処するようにしましょう。

運用状況のチェック項目
 ・運用実績
 ・運用経過
 ・ファンドマネジャーのコメント
 ・組入有価証券明細表
 ・今後の運用方針

投資信託は、買った後も重要!投資信託の商品性に変化はないか、自分で決めた資産配分どおりになっているか、定期的にチェックしよう。

投資信託の選び方【まとめ】

投資信託は、種類によってリスクとリターンの大きさが違いますので、自分に合った投資信託を選ぶことが大切です。

インデックス運用のファンドは、株価指数など、市場の平均的な値動きに連動する投資成果を目指します。アクティブ運用のファンドは、指数を上回るリターンを目標とするのが一般的です。

どれを選んだらいいのかわからないという場合には、株式や債券などを組み合わせて運用する「バランス型(資産複合型)」がおすすめです。

複数を組み合わせて投資することでリスクが分散され、安定したリターンが期待でき、長期で投資しやすいというメリットがあります。

また、高いリターンに飛びつきたくなってしまいますが、運用コストはリターンに大きく影響しますので、総合的に判断しましょう。

  • 先進国の株や債券よりも、新興国のほうがハイリスク・ハイリターン
  • 迷ったときはバランス型ファンドがおすすめ
  • 販売手数料と信託報酬を確認して、総合的に判断する
  • 積立投資、長期保有でリスクを抑える
  • 購入後も定期的にチェックが必要

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