オプション取引の4つの基本型と売買のタイミング

オプション取引には4つの基本型があります。

それぞれの特徴と「どういうタイミングで売買するのが良いのか?」というポイントについて解説したいと思います。

オプション取引の4つの基本型の特徴

日経225オプション取引は、買い手と売り手が同じ値段のプレミアムで取引をするという意思が、市場で合致したときに取引が成立します。

そして、満期日には、勝者と敗者が決定し、その限月の損益は勝った投資家の合計金額と負けた投資家の合計金額をトータルするとゼロになります。

なので、日経225オプション取引市場のみで考えると、ゼロ・サム取引です。

ゼロサム取引

先物取引やオプション取引などの派生商品には、配当などはなく、買い手、売り手は期間内に反対売買するか、満期日の決済を迎えるしかありません。

反対売買も満期日の決済も、買い手と売り手の間で金銭をやり取りするだけで、トータルすると損益合計はゼロになります。

圧倒的に売り手が有利

オプションの買い手と売り手の勝率は、明らかに違います。10戦中、9回は売り手が勝つ、という圧倒的に売り手有利な仕組みになっています。

では、勝率が低いのに、なぜ買い手がいるのでしょうか。

オプションの買いは、「損失限定、利益無限大」だからです。この仕組みを利用して、機関投資家が現物株の保険として、オプションを購入します。

買い手は、投資資金が1日で2~3倍になり、ときには10倍以上になることもあります。負け続けても、1回で負けを取り戻すことが可能です。

売り手は、少ない金額でも、コツコツとお金を増やします。

これによって、バランスがとれているのです。オプショントレーダーは、買い手と売り手の両方をうまく使い分けることが大切です。

オプション取引4つの基本型の特徴
 コールの買い手プットの買い手コールの売り手プットの売り手
権利と義務権利権利義務義務
プレミアム支払い支払い受取り受取り
証拠金不要不要必要必要
仕掛けIVが低い時IVが低い時IVが高い時IVが高い時
日経平均が上昇有利不利不利有利
日経平均が下落不利有利有利不利
横ばい相場不利不利有利有利
最大利益無限無限プレミアム代金に限定プレミアム代金に限定
最大損失プレミアム代金に限定プレミアム代金に限定無限無限
権利行使による損益SQと権利行使価格の差額が利益権利行使価格とSQの差額が利益権利行使価格とSQの差額が損失SQと権利行使価格の差額が損失
権利消滅による損益プレミアム代金の損失プレミアム代金の損失プレミアム代金の利益プレミアム代金の利益

買いのタイミング

オプションの買い手は、時間価値のみのアウト・オブ・ザ・マネーから、アット・ザ・マネーを超えて、本質的価値のあるイン・ザ・マネーになるときが、最も利益になります。

買い手が利益を得るためには、日経平均株価が、短期間で一方向へ大きく変動しなければなりません。

短期間に大きく変動することは少ないので、買い手の勝率が低くなります。そのため、投資資金を極力減らさずに、日経平均株価が大きく変動する時期を見極めることが必要です。

買いのタイミング

日経225オプションを買う、基本的なタイミングは、順張りと逆張りがあります。

順張りは、トレンドに合わせてポジションを持ちます。出動のタイミングは、日経平均株価が直近の高値や安値を超えてきたとき、その後同方向に加速すると予想して、トレンドの波に乗るようにオプションを買います。

直近の高値を上抜きそうなときは、コールオプションを買い、直近の安値を下抜きそうなときは、プットオプションを買います。

しかし、順張りにはトレンドができてしまっている場合、インプライド・ボラティリティ(IV)が上がっているので、プレミアムが高いというデメリットがあります。

これでは、「安く買って高く売る」という、オプションの買い戦略の基本からは、外れてしまいます。

プレミアムの、日経平均先物の変動に対する反応は非常に早いため、IVが上昇する前に仕掛けるのは至難の業と言えます。

逆張りは、日経平均株価の上昇が止まって反転したらプットを買い、下落が止まって反転したらコールを買います。

ただし、反転が確認されてからでは、プレミアムが高くなってしまいますので、フライング気味に逆張りをします。

売のタイミング

日経225オプション取引

オプションの売りには、損失無限大という特徴があり、1回の負けで投資資金の大半を失う可能性があります。そのため、リスクを恐れて、売り手になることを敬遠する投資家が多いのも事実です。

オプションの売り手の最大のメリットは、タイム・ディケイによる時間価値の減少です。一般的に、時間価値がたっぷりあるオプションほど、売り手が有利になります。

売のタイミング

日経平均株価の動きを大きく分けると、上昇トレンド、下落トレンド、もち合い(横ばい)の3つがあります。

現物株は、株価の値上がりを、日経平均先物は平均株価の値上がりor値下がりを収益の源泉とするので、日経平均株価がもち合いのときは、利益を得ることが難しい状態です。

しかし、オプション取引の売り手にとっては、もち合いは利益を上げる最高の期間です。

もち合いでは、日経平均株価の変動が一定のレンジで上下を繰り返し、ヒストリカル・ボラティリティが減少してくるのが一般的です。

それぞれのトレンドにおけるオプションの売り手の行動は、「上昇トレンドができているときは、プットオプションを売り、下落トレンドができているときは、コールオプションを売る」「もち合いのときは、コールオプションとプットオプションを両方同時に売る」のが基本的なスタンスです。

売りのタイミングは、多少間違っても、タイム・ディケイの追い風によって、ほぼ勝つことができます。

ただ、年に数回訪れる急激な株価変動への対応が遅れないように、警戒心は持っておいてください。

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